ALS治療へ新章
2026-09-28 15:08:27

SOLA Biosciences JapanがAMEDの支援を受けALS治療に挑む

SOLA Biosciences Japanが挑む遺伝子治療の最前線



合同会社SOLA Biosciences Japanは、アメリカ・ボストンに本社を持つSOLA Biosciences Inc.の完全子会社として、日本での医薬品開発を加速させています。最近、同社は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」に採択され、5年間で約60億円の補助金を受けることが決定しました。これは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療に向けた重要なステップであり、SOL-257という遺伝子治療の開発を加速させます。

SOL-257とは?



SOL-257は、ALSの主要な原因となるTDP-43というタンパク質のミスフォールディング(構造異常)に注目した遺伝子治療プログラムです。この病気は、運動ニューロンが失われる神経変性疾患であり、患者の生活に多大な影響を及ぼします。実際、ALS患者の約97%では、TDP-43の異常が確認されており、そのため、正常な機能が失われてしまいます。

独自のJUMP70プラットフォーム技術



SOL-257は、SOLAが独自に開発したJUMP70プラットフォームから生み出された治療候補です。JUMP70は、細胞内のタンパク質品質管理機構を利用し、異常な形状のタンパク質を選択的に認識するよう設計されています。この技術により、正常なタンパク質には影響を及ぼさずに、疾患に関与するミスフォールディングタンパク質のみを標的にすることができます。

具体的には、疾患特異的な標的結合ドメインと、タンパク質品質管理機構を活性化するドメインを組み合わせ、分子シャペロンであるHSP70を異常なタンパク質の近くに動員する仕組みです。これによって、異常なTDP-43を認識し、正常な構造と機能を回復させることを目指します。これは、ALSの大多数の症例に共通するとされる分子病態に直接働きかけるアプローチです。

国際的な協力と開発への意気込み



本事業では、SOLA Japanが開発の中心拠点として、アメリカにあるSOLAチームと連携し、国内外のアカデミアやCRO、製造パートナー、投資家と一緒に開発を進めます。また、AMED認定のベンチャーキャピタルであるCurie.Bioがリード投資家として参加し、東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)もフォロー投資家として協力しています。

SOLA Biosciences Inc.の創業者兼CEOである古屋圭三氏は、「AMEDからの支援を受けられることを大変光栄に思い、SOL-257の開発を進める責任を強く感じています。ALSの患者やそのご家族にとって、時間は極めて貴重です。日米の研究者とも連携し、革新的な治療の実現に向け、一日でも早く進めていきたい」と述べています。さらに、COOの井ノ口雄大氏も、「日本が持つサイエンス、臨床、製造の強みを活かし、SOLAのグローバルな開発力と結びつけ、成果を患者に届けます」と強調しています。

今後の展望



SOLA Biosciences Japanは、SOL-257をファーストインクラスの疾患修飾型遺伝子治療として開発し、日米で概念実証(POC)の取得を目指します。これにより、グローバルな臨床開発の基盤を築くことが期待されています。ALSにおける遺伝子治療は、未だ道半ばですが、SOLAの取り組みが新たな未来を切り開くことに期待が寄せられています。

ただし、SOL-257は開発段階にあり、現在いずれの規制当局からも承認を受けていないことを留意してください。今後の進展から目が離せません。

関連リンク

サードペディア百科事典: ALS SOLA Biosciences TDP-43

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。