ABEJAと富士山マガジンサービスが共同事業を検討、出版業界に革新の波をもたらす計画の始動

ABEJAと富士山マガジンサービスが出版業界に挑む

株式会社ABEJAと株式会社富士山マガジンサービスが、新たな共同事業に関する契約を締結したことが明らかになりました。両社は今後、AI技術を駆使し、出版業界における新規事業の創出に向けた具体的な検討を進めていく予定です。特に、生成AIの急速な普及を背景に、業界の構図が変わる中での取り組みとなります。

共同事業の背景と目的

ABEJAは「ゆたかな世界を、実装する」という理念のもと、AIを活用した基盤システム「ABEJA Platform」を開発・導入・運用し、特にミッションクリティカル業務に対する支援を行っています。最新の技術を導入し、人とAIが協調する未来を見据えています。一方、富士山マガジンサービスは、10,000誌以上の雑誌を取り扱うオンライン書店「Fujisan.co.jp」の運営を通じて、出版業界のDX（デジタルトランスフォーメーション）を推進し、高い技術リテラシーを有する企業です。

こうした背景から、両社は共同事業の創出に向けて情報収集と整理を効率化し、希少性の高いテキストデータの構築を目指しています。特に、生成AIの著作権に関する問題が注目されている中で、権利クリアランスの現状を改善することが急務とされています。

具体的な検討内容

共同事業では主に以下の2つのプランが検討されています。

1. 小規模言語モデル（SLM）の事業化
権利者と連携の上、専門誌などの高精度なコンテンツデータを用いたSLMの構築を目指すことで、ビジネスの多様性を生み出す計画です。

2. AI学習データ認証の事業化
AI学習データの公正な流通を実現するため、出版物に関連するコンテンツホルダーとデベロッパーとの間での認証プロセスを確立し、業界全体の利用状況を整備していくことを考えています。

これらの新しい試みは、2026年中に最終合意を見込みながら、進められる予定です。両社は、出版業界における新たな価値創造を目指し、協力して取り組んでいきます。

ABEJAの展望

ABEJAはこの共同事業を通じ、幅広い業界の企業と連携しながら、人とAIが協働する未来を描いています。具体的には、富士山マガジンサービスが持つ多様な出版社とのネットワークと、ABEJAのAI技術を組み合わせることで新たな情報の収集と利活用を可能にし、出版業界のさらなる発展を促進することを目指しています。近年は、生成AIの導入に伴い、著作権管理やデータ整備が求められていますが、これらのニーズに応える形での取り組みが期待されています。