三菱総合研究所と日立の連携がもたらす新たな電力トレーディング支援
2023年8月25日、三菱総合研究所(以下MRI)と日立製作所(以下日立)は、系統用蓄電池事業者向けの電力トレーディング支援サービスに関する協力体制を構築する覚書を締結しました。この取り組みにより、新しい電力市場での効率化や収益性の向上が期待されています。
電力トレーディングサービスの概要
この新サービスは、MRIの「MERSOL(MRI Energy Resource Solution)」と日立が開発中の電力トレーディングシステムを融合させることにより実現されます。具体的には、MERSOLによる入札計画の最適化と、日立のシステムによる市場取引の支援が連携することで、蓄電池の運用に関する一連のプロセスが効率化されます。
新規参入企業を含め、事業者は委託していたトレーディング業務の一部を自社で行いやすくなり、業務の効率化や収益機会の拡大が見込まれます。この協業は、システムの一体化により、事業拡張性の向上にも寄与します。
背景と需要
日本政府が2025年までにカーボンニュートラルを目指す中、再生可能エネルギーの導入は急激に進んでいます。しかしながら、発電量の変動に対応した需給調整は大きな課題です。系統用蓄電池は、この課題解決のための重要な手段として位置付けられています。
系統用蓄電池事業の収益確保には、複数の市場や商品を組み合わせたトレーディングが欠かせません。しかし、効果的に運営を行うには高い専門性が求められます。そのため、多くの新規事業者はアグリゲーターに業務を委託する傾向にありますが、自社でのトレーディングを内製化するニーズも高まっています。
具体的な協業内容と提供価値
本協業により、MERSOLと日立の電力トレーディングシステムがともに機能し、それぞれの強みを活かした市場取引支援が実現します。MERSOLによる市場価格予測を基に、日立のシステムが自動で市場への入札業務をサポートします。さらに、約定結果に基づいて必要な計画を自動生成し、提出する機能も持つため、顧客に多大な業務効率をもたらすでしょう。
1.
収益性の向上:市場価格の予測に基づいた適切な入札計画を用いて、事業者は安定した収益を得やすくなります。外部委託コストを削減し、自社での意思決定を加速させ、運用の高度化を図ることが期待されます。
2.
事業拡張性の向上:共通化されたシステムにより、新規事業者でも運用業務を自動化し、複数蓄電所を同時に管理できる体制を構築します。これにより、新たな蓄電所の設置に際しても安定した運用が可能となります。
今後の展開
この電力トレーディング支援サービスは、2027年度に提供を開始予定であり、MRIと日立はそれぞれのサービスを相互に提案・提供できる体制の構築を目指します。両社の協業により、系統用蓄電池事業の拡大が期待され、持続可能な社会の実現に寄与することを目指します。
さらに、MRIはMERSOLサービスを通じて市場の変化や制度変更への対応を図り、収益性の向上に寄与します。また、日立はITとOTの統合に注力し、次世代のグリーントランスフォーメーションを支えるエネルギー基盤の構築を目指します。
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この協業が進められる中、持続可能な社会の実現に向けての新たな一歩が期待されます。