大石大、新たな物語『日本一不運な彼』連載開始！

新たな物語の幕が開ける

秋田県能代市出身の作家、大石大が待望の新連載『日本一不運な彼』を2025年11月23日より河北新報の日曜朝刊にて開始しました。大石大は、過去に「シャガクに訊け！」で第22回ボイルドエッグズ新人賞を受賞し、多くの東北を舞台にした作品で読者を魅了してきました。この作品は、新聞での小説連載としては初の試みであり、彼のさらなる成長が遂げられる舞台とも言えます。

物語の背景

『日本一不運な彼』は、平成初期の宮城県の海辺の町、塩濱を舞台にした物語です。主人公の正樹は、小学校四年生の春に転校生の大二郎と友達になります。大二郎は短気で時に乱暴ですが、実は寂しがりな性格がうかがえます。二人はお互いに引かれ合い、次第に一緒に過ごす時間が増えていきます。

物語のある日、放課後に訪れた塩濱神社での出来事が二人の運命を大きく変えてしまいます。この神社で無邪気に行った行動が災いし、大二郎は翌年の初詣で「凶」を引いてしまいます。対照的に、正樹は「大吉」を引くことで懸賞に当選したりと、運命のいたずらに戸惑います。この偶然は純粋な友情を描く中で、運と不運というテーマを深く掘り下げていくことになります。

仲間たちとの関わり

作品が進むにつれて、正樹の周りには明るくスポーツ万能な駿太や几帳面で真面目な重信も仲間に加わり、彼らの友情や成長が描かれます。この四人組の関わりは、三十年にわたる物語の中軸を成し、様々な試練や楽しい思い出が織り交ぜられていくことでしょう。また、『日本一不運な彼』は、ただの友情物語にとどまらず、運命の不思議さや青春の切なさが詰まった作品に仕上がっています。

挿画とデザインに注目

本作の挿画を担当するのは、宮城県大崎市出身のイラストレーター・亀井桃さんです。彼女は、店舗や商業施設へのイラスト提供を行い、仙台と東京を中心に活動しているアーティストであり、大石大の既刊『死神を祀る』のイメージイラストも手がけています。亀井さんは、「大石さんの作品は自分の見てきた景色に通じる懐かしさがあり、主人公たちと一緒に歩んでいけたらと思っています」と、作品に対する強い想いを語っています。彼女独自のタッチが物語のキャラクターたちに生き生きとした命を吹き込むことで、読者をより深く物語に引き込むことでしょう。

まとめ

大石大が手掛ける『日本一不運な彼』は、ユーモアと切なさを融合させた魅力的な物語となることが期待されます。初の新聞連載という新たな試みを経て、彼がどのように物語を展開していくのか、多くの読者が楽しみにしています。地元出身の作家とその作品に対する情熱を感じながら、ぜひ今後の展開に注目していきたいものです。