人的資本評価の偏り
2026-06-17 13:07:20

人的資本白書2025年度版で明らかになる360度評価の偏りとその背景

人的資本白書2025年度版の発表に向けて



Institution for a Global Society(IGS)は、2026年6月23日(火)に発行予定の『GROW360+ 人的資本白書2025年度版』の分析を通じて、360度評価における評価者のバイアスに関する実態を先行公開しました。本書は、29社・7,418名のデータをもとにしており、特許取得済みの評価バイアス補正技術を使用して、より信頼性の高い評価を提供することを目指しています。

1. 採点の偏り



解析の結果、360度評価を行った12,346名の評価者のうち、約44%に「採点の偏り」が見られることが明らかになりました。具体的には、評価者の約23%が平均よりも甘い評価を行い、21%が厳しい評価を下す傾向があることが分かりました。このような偏りは、「誰が評価したか」によって決まるため、評価者の選び方により、大きな影響を受けることを示しています。評価者によって高得点をもらった候補者と、逆に低得点をつけられた候補者が存在するため、実は能力を測るのではなく、評価環境によって得点が変わる可能性があるのです。

2. 背景と意義



人事の意思決定においては、従来、経験や感覚に依存していることが多くありました。しかし、近年の人的資本情報の開示が義務化されたことで、企業はよりデータを用いた説明責任を求められるようになりました。この時、評価データの質がどれほど担保されているのかが問われる重要なポイントです。IGSは100万名分の評価データを蓄積し、データが企業の意思決定に与える影響について実証的に探求していきます。

3. 本白書が問う5つの問い



この白書では、新たに次のような問いを立て、人的資本の評価のあり方に一石を投じます。

  • - 管理職と一般社員の差: 本当に差がつくべきポイントはどこか?選定基準と一致しているか?
  • - 自己認識と周囲の評価の差: 「できている」と「見えている」の乖離は?
  • - 評価の意味: 360度評価は「能力」を測るか?それとも「誰が評価したか」を測るのか?
  • - 成長パターンの探索: 伸び悩みは事前にデータで分かるか?
  • - 管理職候補者のリスト: データに基づいているか?無意識の偏りはないか?

これらの問いへの答えは、本白書を通じて明らかになります。

4. 白書の特長



本白書は、29社・7,418名における評価素点データを基にしており、一橋ビジネススクールの小野浩教授の監修のもとで作成されています。特に、特許取得の評価バイアス補正技術がどのように機能しているかについても定量的に検証し、企業への具体的な示唆を提供します。

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