セキュリティ基盤の管理強化を目指す
2025年12月2日、アルサーガパートナーズ株式会社とマクニカが共催したオンラインセミナーが開催され、企業のセキュリティ管理の現状と未来についての重要な情報が共有されました。このセミナーでは、特にアイデンティティ管理(ID管理)とアイデンティティガバナンス管理(IGA)の役割に焦点が当てられ、企業が直面する課題とその解決策について深い理解が得られる内容となっていました。
1. セミナーの背景
近年、企業内での生成AIやマイクロサービスの活用が進む中で、管理対象となるアカウントの数が爆発的に増加しています。特に、アイデンティティ侵害を起点とするサイバー攻撃やゼロトラストへの移行が進み、ID管理の重要性は増しています。こうした背景の中、今回のセミナーでは、IGAが企業が抱えるセキュリティ上の課題にどのように貢献できるかが紹介されました。
2. 登壇者の紹介
セミナーには、マクニカの山田陸氏とアルサーガパートナーズの石黒元洋氏が登壇しました。山田氏は、セキュリティ管理の実務経験豊富なセールスエンジニアであり、IGA製品"Saviynt"に関するデモを交えた説明を行いました。一方、石黒氏は、セキュリティコンサルタントとして数多くのプロジェクトを手がけており、企業が直面するID管理の重要性について深く掘り下げました。
3. ID管理の重要性
セミナーの冒頭、石黒氏はID管理が急務である理由を3つの観点から解説しました。まず、「信頼の起点の変化」について、従来のシステム防御から人間に焦点を移し、ゼロトラストの考えが普及していることを指摘しました。次に、「攻撃対象の移行」について、システムからアカウントへの攻撃が増加していることを挙げ、その結果、アイデンティティ管理が重要になっていると説明しました。最後に、SaaSの増加に伴い、管理するアカウントが膨大になっているため、手動での管理が限界を迎えている点を強調しました。
4. IGAの利点
石黒氏は、従来のID管理(IDM)と新たなガバナンス機能を持つIGAの違いについても詳述しました。従来型のIDMはアカウント作成や権限付与を主に管理しますが、今求められるのは「不要権限の管理」「退職後のアカウント抹消」といったガバナンス機能の充実です。IGAの導入によって、企業全体のアイデンティティを正しい状態に保つためのフレームワークが提供されるため、運営効率化だけでなく、リスク管理やコンプライアンスの強化にも寄与します。
5. Saviyntの紹介
後半のセッションでは、マクニカの山田氏が実際の画面デモを通してIGA製品"Saviynt"の特徴をわかりやすく説明しました。Saviyntでは権限の詳細を可視化し、例えばどのユーザーがどのアプリケーションにどの程度のアクセス権を持っているかを詳しく見える化することが特徴です。この情報により、従来では見落とされがちだった権限のリスクを軽減することができます。
特に注目されたのは、権限ごとの「リスクスコア」を自動算出し、優先順位をつけてレビューを行う仕組みです。これにより、レビュー作業が効率的になり、実質的なリスクに焦点を当てたアプローチが可能になります。また、Saviyntは1,400以上のレポートを搭載し問題が発生した際にはその場で対応が可能です。さらに、ISPM(Identity Security Posture Management)機能により、権限の変化や異常を常に監視し、AIによるレポート作成も行われ、運用担当者の負担を大幅に軽減します。
6. 両社の協業体制
マクニカとアルサーガパートナーズは、IGAの導入に必要な知識や経験を活かし、上流から運用に至るまでをシームレスに支援しています。マクニカは製品知識に基づく支援を提供し、アルサーガパートナーズはコンサルティングの視点から企業の要求に応えます。今回の連携により、顧客に対して質の高いサービスが提供できると期待されています。
7. まとめ
本セミナーは、企業のセキュリティ管理を強化するための具体的な解決策や取り組みを共有する貴重な機会となりました。ID管理やIGAに関する疑問を持つ企業は、ぜひとも専門家に相談し、導入を進めることをお勧めします。動画アーカイブが用意されているので、詳細を再確認することも可能です。興味がある方は、下記のリンクよりご覧ください。
アーカイブ動画をこちらから
また、ID管理やIGA導入についての相談は、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら。