Apple Watchで治療
2025-08-06 13:58:52

Apple Watchを用いた心房細動治療の新しいアプローチに注目

Apple Watchを用いた心房細動治療の新しいアプローチに注目



東京都三鷹市にある杏林大学の医学部循環器内科教室が、画期的な研究に取り組んでいます。副島京子教授と毛利崇人助教の指導の下、心房細動の患者を対象に、Apple Watchを活用した運動耐容能や睡眠の質、生活の質(QOL)、心機能の変化を観察する新規な研究が始まりました。

心房細動の危険性と早期対応の重要性



心房細動は、最も一般的に見られる不整脈であり、注意を怠ると脳梗塞や心不全、果ては認知症を引き起こす可能性があります。そのため、早期発見と早期治療が不可欠です。最近の研究では、Apple Watchのようなウェアラブルデバイスを利用して早期に心房細動を見つけることが非常に効果的だとわかっています。特に、心不全の患者において心房細動が高頻度で見られることから、早い段階での治療が心臓への負担を軽減し、心不全の改善にもつながるとされています。

心房細動の治療において、カテーテルアブレーションは、薬物治療に比べて高い効果を示しています。当院でも、多くの患者がこの治療法を受けており、心臓のリズムを整える「リズムコントロール」や、脈拍を落ち着ける「レートコントロール」、さらには血栓を防ぐための「抗凝固療法」といった多角的アプローチが強調されています。最近では、飲酒や喫煙、日常の運動や睡眠といった生活習慣の改善、さらに合併疾患の管理も重要視されています。しかし、患者の日常生活を正確に把握し、それに基づいて改善の指導を行うことは、これまで困難でした。

Apple Watchの革新技術



この研究の参加者は、Apple Watch Series 10を使用しています。Apple Watchのヘルスケア機能は、強力なセンサーとアプリケーションを駆使して、運動や歩行速度、消費カロリー、睡眠状態を追跡します。その中には、不規則な心拍リズム、高心拍数と低心拍数、低心機能、さらには血中酸素濃度の測定機能も搭載されており、心電図や心肺運動負荷検査の結果と照らし合わせることで、未来の心不全患者を効果的に管理する助けとなるでしょう。

さらに、 Apple Inc.は、iOS研究アプリの開発のためにApple Watchデバイスと研究アプリテンプレートへのアクセスを提供しています。なお、Appleはこの調査の設計や実施には関与しておらず、研究データの収集、分析、解釈においても一切関与しない立場を取っています。

この試みが成功することで、心房細動治療は新たな段階を迎えることでしょう。患者の日常生活データをもとにした治療法が確立されれば、より個別化されたアプローチが可能になり、患者の生活の質を大きく向上させる可能性があります。

興味深いこの研究の進展から目が離せません。


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