音楽が生むやさしさ、飛騨市からの新たな試み
岐阜県飛騨市が新たに立ち上げた「CHOTTOKIITE!(ちょっと聞いて)」プロジェクトは、地域の医療・介護分野を支援するための取り組みとして注目を浴びています。市長の都竹淳也氏のもと、深刻化する人手不足やサービスの維持に向けて、音楽を通じた新たな道を模索しているのです。
このプロジェクトには地元出身の音楽家、谷澤智文さんが参加しており、飛騨市内の医療や介護施設を訪問し、そこでの音を集めています。彼はこの音にインスピレーションを受けて、現場の「やさしい空気感」を感じながら新曲を制作しました。この楽曲には、実際の医療・介護現場の音を取り入れた部分もあり、聴く人々に深い感情を伝えることを目指しています。
さらに、プロジェクトでは「ありがとう #やさしい飛騨市」というキャンペーンを発表し、市民からやさしい瞬間を写した写真を募集しています。大切な時間を共有する家族やペットとのひととき、地域のふれあい、仕事の中でのささやかな場面など、私たちの周りには多くの「やさしさ」が満ちています。参加方法は、専用フォームを使って写真とエピソードを投稿するだけ。締切は1月31日までとなっています。
飛騨市における医療・介護の現状
飛騨市は岐阜県の最北端に位置し、人口減少が進んでいます。この背景には、主な働き手となる生産年齢人口の減少があり、医療や介護の分野でも人手不足が深刻化しています。令和5年に市が実施したアンケートによると、介護サービス事業所の約65%が「人員が不足している」と回答。このような状況は、今後も続く見込みです。
「需要に対して十分なサービスが提供できていない」事業所も約20%に上り、そのうち43%は人手不足などの理由でサービスの制限や縮小を余儀なくされています。現場では、笑顔で利用者さんと接することが職員のモチベーションとなっており、厳しい状況の中でも尽力する姿が見受けられます。
CHOTTOKIITE!プロジェクトの意義
このプロジェクトの核となるのは、医療・介護に関わる人々の声と温かさを地域住民と分かち合うことです。まずは市民の皆さんに「耳を傾けてもらう」ことが必要だとし、現場の音を基にした楽曲が完成しました。谷澤さんが現場の音を収録する際には、患者さんや高齢者が快適に過ごせる環境を重視し、さまざまなノイズがあったものの、その音の中に潜むやさしいメロディを見出しました。
今後の展開
今後、この楽曲は聴覚的にだけでなく、視覚的にも医療・介護現場のやさしさを伝える作品として仕上がります。市民から集めた「やさしい場面の写真」と楽曲が調和する映像を制作するため、多数の試行錯誤が行われています。今後のスケジュールとして、12月には楽曲公開と写真募集を開始し、1月には楽曲を基にした映像作品を公開、2月にはスライドショーを完成させる予定です。
また、谷澤智文さんは「医療・介護は究極のやさしさを持つ美しい仕事」と感じており、制作した楽曲が現場の癒しとなれば幸いだと語っています。この新たなプロジェクトは、飛騨市内にとどまらず、全国に医療・介護の重要性を広めるきっかけとなることを目指しています。
まとめ
「CHOTTOKIITE!」は、音楽という力を通して医療・介護の未来を明るく照らすプロジェクトです。地域の皆さんが積極的に関わることで、より多くの人がこの活動の重要性を感じることができるでしょう。私たちも一緒に、身の回りのやさしさを再認識し、共に支え合う社会を築いていきましょう。