GEヘルスケア・ジャパン、PET検査用薬剤の保険適用範囲を拡大
GEヘルスケア・ジャパン株式会社(東京都日野市)は、最新の放射性医薬品合成設備「FASTlab」及び「FASTlab 2」を利用した心強いニュースを発表しました。アミロイドPETイメージング剤「ビザミルTM(VIZAMYLTM)」が2025年6月1日から保険適用の範囲が拡大し、より多くの患者がこの高度な検査を受けられるようになります。
アミロイドPET検査の重要性
ビザミルは、アルツハイマー病や軽度認知障害の疑いがある患者の脳内のアミロイドβプラークを可視化するための薬剤です。低侵襲で脳内の状態を徹底的に評価できるこの方法は、アルツハイマー病による認知症の早期診断や治療の支援において重要な役割を果たしています。
この承認を受け、GEヘルスケアは2015年から「FASTlab」のビザミル合成機能に関する薬事承認を取得し、2023年にはさらに幅広い症例についての承認を得ました。これにより、国内での診断精度が向上し、早期の介入が可能となることが期待されます。
新たな治療薬の登場
2023年には「レカネマブ」という治療薬が登場し、アルツハイマー病による認知症の進行を抑制する効果が認められました。レカネマブの処方判断を行う際に、アミロイドβ病理を示す所見の確認が求められ、これによってビザミルを使用したPET検査の重要性が増しています。
2024年10月からは、ビザミルを用いた検査が「治療薬の投与の要否を判断する」ための保険適用範囲に加わります。これにより、患者や医療機関は、投薬の継続や中止の判断をより明確に行えるようになります。
医療機関における新たな展望
現在、日本国内には約400か所の医療施設がPET・PET/CT・PET/MR装置を保有しています。しかし、院内での放射性医薬品の合成が行える施設は約150か所と限られています。FASTlabやFASTlab 2の導入により、より多くの医院がビザミルを用いてアミロイドPET検査を行えるようになり、これまで以上に多くの患者が恩恵を受けることが期待されます。これは、高齢者が増加する中、急激に増加する認知症患者にとって、明るい兆しとなるでしょう。
日本の医療システムへの影響
日本は超高齢社会を迎え、2025年には700万人を超える認知症患者が予測されています。高齢者の約5人に1人が認知症になると言われており、早期診断と適切な治療が求められています。今後、アミロイドPET検査はアルツハイマー病に対する認識を高めるだけでなく、その診断方法としても重要な役割を果たすことになるでしょう。
GEヘルスケア・ジャパンは、今後も日本が抱える医療課題の解決に向け、最先端の技術を提供し続けることを目指します。これにより、日本国内の医療の質を改善し、すべての患者に恩恵をもたらすことが期待されます。
詳細については、GEヘルスケア・ジャパンの公式ウェブサイトをご覧ください。