彦根市が進めるAI導入プロジェクトで行政サービスを革新する試み

彦根市が挑むAI導入の未来

滋賀県彦根市にて、新たな技術を用いた市民サービスの向上を目指す取り組みがスタートしました。企業向けに生成AIソリューションを提供するアンドドット株式会社が開発した「Ork for 行政」が、同市の職員向けに実証実験として導入されます。このプロジェクトは、アンドドットと彦根市との間で結んだ地方自治体業務の高度化に関する連携協定に基づくもので、市職員のAIに関する教育を受けた後の次なるステップとなります。

自治体が直面する課題

近年、多くの地方自治体では、市民サービスのデジタル化が進んでいますが、以下の2つの大きな課題が残っています。

1. 情報の検索性の課題
自治体のホームページには、多様な市民サービスの情報が掲載されていますが、これがどこにあるのかを市民が探し出すことは難しいのが現状です。こうしたことから、電話や対面での問い合わせが増えています。

2. 運用の複雑化と情報の鮮度
広報担当者にとって、自サイトの情報を常に把握し、更新を行うのは非常に負担が大きく、結果として情報更新の漏れが生じてしまうことが多いのです。

実証実験の成果と期待される効果

この実証実験では、AIによる情報提供の自動化を図ることを目的としています。以下のようなアプローチで既存の課題を軽減します。

【完全自動運用の実現】

「Ork for 行政」では、自治体ホームページのURLを登録するだけで、AIが自動で全ての情報を読み込み、学習を行ないます。これにより、職員によるデータ作成や手動での設定が不要になります。これにより運用の手間が大幅に削減されることが期待されています。

【常時対応の実現】

このAIチャットボットは、365日24時間対応が可能です。これにより、市民からの質問にも即座に応答でき、いつでも最新の情報を提供できます。これにより、市民の利便性が向上し、問い合わせ件数が減少する見込みです。

【need可視化で政策に活かす】

市民とのやり取りを行ったデータはAIによってリアルタイムに分析されます。市民がどのような情報を求めているのか、何を探しているのかが明らかになり、ホームページの改善や市民ニーズに応じた施策の立案に活かされる可能性があります。

アンドドットと行政DXの推進

これまでアンドドットは、多くの自治体においてAI導入や教育支援、システム開発を行ってきました。また、総務省との連携も行い、AI教育や業務自動化システムの開発に力を入れています。今回は彦根市での実証実験を皮切りに、行政デジタルトランスフォーメーション（DX）の推進にさらに寄与することを目指しています。