60歳以降のキャリアへの挑戦意欲が高まる時代の到来
日本の企業環境が変化し続ける中、定年後も積極的に活躍したいと考えるハイクラス人材が増加しています。株式会社クライス&カンパニーが実施した「ハイクラス人材のキャリア意識調査」によると、60歳以降のキャリアについて「挑戦をしたい」と考える人の割合は全体で63%を超え、特に40代以上では83%に達するという驚くべき結果が出ました。これにより、一部の層においては定年の概念が変わりつつあることが浮き彫りになりました。
調査の背景と結果
同社が行ったアンケートは、キャリアカウンセリングを受けた転職希望者を対象としたもので、60歳以降の働き方に対する意識を詳細に探りました。調査結果によれば、60歳以降に新たなキャリアに挑戦したいと考えている人々は非常に多く、ただの収入獲得を超えて社会への貢献や自己実現を求める傾向が強く見受けられます。
実際に「挑戦したい」と答えた回答者の中で、「全く考えていない」「あまり考えていない」との回答はわずか16%にのぼります。これは、意欲的に歳を重ねた先に新たな挑戦の可能性を見出そうとする姿勢を示しています。
年代別の意識の違い
年代別に分析すると、40代以上では83%が「挑戦したい」と回答しているのに対し、20代から30代の間では57%と若干低くなっています。この結果は、40代以上の層が具体的な働き方についてしっかりとしたイメージを持っていることを示しており、未来への備えを重視していることが理解できます。60歳というライフステージの転機を迎える中で、ただの定年ではなく新しい挑戦を始めるチャンスとして捉える姿勢が強まっていると考えられます。
理想の働き方の多様性
また、60歳以降の理想的な働き方についての設問では、「悠々自適に過ごし、プライベートを優先する」「複数の仕事をかけもちして柔軟に働く」「公共の仕事に従事して社会に貢献する」といった選択肢が多数選ばれました。収入のためだけでなく、自己実現や社会貢献を重視する人々が増えている傾向が浮き彫りになりました。
特に40代以上の人々は、柔軟な働き方を求める一方で、20代の求める「悠々自適」とは対照的な方向性が見えます。年代別に見ると、40代以上の層では「複数の仕事をかけもちして柔軟に働く」という意見がトップを占めていますが、20代から30代は「悠々自適に過ごす」という選択肢が約3倍となっているのが特徴です。
挑戦のイメージ持つ層の違い
新たなキャリアへの挑戦については、40代以上の層の約20%が「具体的なイメージを持っている」と回答したのに対し、20代はわずか7%という結果が出ました。この差は、これまでの経験が生んだ自信と未来への希望を強調しています。
まとめ
この調査を通じて、60歳以降も自身の経験やスキルを活かして社会に貢献したいという意識を持つ人々が増えていることが明らかになり、年齢を問わず新しい挑戦を志向する時代が到来していることを感じます。今後も「志あるハイクラス人材のキャリア意識調査」は、ハイクラス層の価値観について引き続き探求し、発表を続けていく予定です。
さらに、DIAMOND onlineでは、同社の代表である丸山氏が「転職で幸せになる人、不幸になる人」という連載を通じて、定年後の働き方についての記事を公開しています。今回の調査結果と合わせて、ぜひご覧ください。また、株式会社クライス&カンパニーの理念に基づき、志を持つ人材が活躍できる場を提供し続ける姿勢は、今後のキャリア形成においても重要な指針となるでしょう。