中温燃料電池の進展
2026-01-09 11:08:25

新たな高性能電解質材料が中温動作の燃料電池実用化へと道を拓く

東京理科大学の研究チームが開発した新しい電解質材料が、燃料電池の未来を変える可能性を秘めています。特に注目されるのは、Sm3+ドープCeO2(SDC)薄膜が持つ特異な特性です。この薄膜は、200℃から550℃の範囲で動作できる固体酸化物燃料電池(SOFC)の電解質として、世界最高の酸化物イオン伝導率を達成しました。伝導率は10のマイナス2 S/cmを超え、これは従来の高温動作型の燃料電池にはなかった性能です。

本プロジェクトは、樋口透教授をはじめとする東京理科大学のグループと東北大学の研究者たちが協力して進めました。従来のSOFCは700℃以上でないと動作せず、高温での性能は優れていますが、低コスト化や多用途展開の足かせとなっていました。そこで、低温動作ながら高い導電体性能を持つ材料の開発が急務とされていたのです。

研究者たちは、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、(100)配向のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)基板上に約20nm厚のa軸配向SDC薄膜を成膜しました。この薄膜は、成膜後300℃においても約0.05 kΩ cmという低抵抗を示し、イオン伝導性が高いことが証明されました。これにより、酸化物イオンの効率的な輸送が可能であることが明らかになりました。

さらに、SDC/YSZ薄膜は大きな酸素空孔率と強力なクーロン相互作用によって、電子伝導を抑制し、イオン伝導に特化した材料であることが特定されました。最終的に、イオン輸率は0.96に達し、純粋な酸化物イオン伝導体としての特性を有していることが示されました。

樋口教授は「この研究により、次世代の燃料電池や全固体の電気二重層トランジスタへの応用が期待されます」と述べています。酸化物イオン伝導に関するこの発見は、中温動作のSOFCが実用化される可能性を高め、発電効率向上とコストの低減に寄与することでしょう。

この研究は、2023年12月19日付の国際学術誌「Journal of the Physical Society of Japan」に掲載され、多くの技術者や研究者の注目を集めています。新しい電解質材料の開発は、環境負荷を軽減する電池やデバイスの開発にもつながると期待されています。具体的には、低温動作型台形のSOFCがより普及することで、持続可能エネルギーシステムの実現にも寄与する葛藤が予想されます。今後もこの分野から目が離せません。


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