日常化するAI活用と組織の葛藤
個人のAI利用が広がる中、組織全体での活用は遅れている現状を浮き彫りにした調査結果が発表されました。この調査は、株式会社コーナーが実施したもので、企業の人事担当者259名を対象に行われました。2025年に向け、AI活用が日常的なツールとなると予測されていますが、その実際の運用においては様々な課題が存在しています。
調査の背景
AI技術は驚異的な勢いで進化していますが、調査結果から見えるのは、個人レベルではその効果が実感されている一方で、組織としてはなかなか活用が進んでいないという現実です。具体的には、個人または部門単位でのAI活用は著しいものの、業務プロセスに組み込むことは難しいとされています。
個人と組織の利用状況
調査によると、個人では68.2%の人が「ほぼ毎日」AIを利用しています。これはすでに多くの人にとって習慣の一部となっていることを示しています。しかし、組織レベルでは個人や部門での利用が中心で、業務プロセスへの組み込みはわずか18.9%にとどまるという結果が出ています。これは、生成AIが広がっているにも関わらず、組織としての意思決定や業務設計に活かされていないという信じがたい事実です。
活用が進まない理由
調査結果から、AI活用が組織に定着しない理由として、最も多く挙げられたのは「リテラシーやスキル不足」であり、次いで具体的なユースケース設計の欠如が目立ちました。特に、AIを活用するためのフレームワークやルール整備が圧倒的に求められていることも明らかになりました。また、各部署間での情報の断絶や、評価制度に関する課題が根強いことも調査により確認され、このような構造的な原因がAI活用を阻害している要因となっています。
人事部門特有の課題
特に、人事部門では個人でのAI利用が46%を占めている一方、業務に組み込まれるのは1割にも満たない状態です。このことから、AI活用を推進する体制の不在が浮き彫りになっています。具体的には、人事部門内に AIを推進するためのリソースが不足しており、またデータ分析やプロセス設計に関するスキルが求められている状況です。
今後の展望
株式会社コーナーの代表である門馬貴裕氏は、調査結果を受けて、企業がAIの導入を進める際には、単にツールを導入するだけでなく、業務や組織の基本設計を見直すことが重要だと指摘しています。これこそが、AIを最大限に活用し、組織全体を変革するためのカギとなるでしょう。
2025年は、AI活用が個人の日常に定着した一方で、組織としての変革にはまだ時間がかかることが示された年でした。これからの人事戦略には、AIを前提とした新たな業務設計が求められます。
今後、CORNERはこの分野において企業が取り組めるよう、AI活用が効果的に組織に根付くためのサポートを行っていく予定です。AI活用の未来を見据えた組織の変革がどのように進むのか、今後も注目が必要です。