ヤマタネがアグリベース辻󠄀の株式取得で新たな農業展開を目指す
2025年6月6日、ヤマタネ株式会社は、大規模生産法人「有限会社アグリベース辻󠄀」の株式一部取得について正式に発表しました。これにより、農業事業の強化を図り、持続可能な経営モデルの確立を目指すとしています。
株式取得の背景
ヤマタネは1924年に創立以来、全国各地の産地と協力しながら「安全」「安心」「良食味」をモットーにしたお米の提供を行ってきました。企業メッセージの「続くを支える」という理念のもと、地域コミュニティや生産地の農業発展に寄与する取り組みを強化。新たに始まる中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」では、食品産業におけるバリューチェーンの拡大を目指し、農業生産への進出を果たしています。
新たに設立する農業生産法人「株式会社ブルーシード新潟」を通じて、稲作をはじめとした「複合経営」による高収益モデルを確立する計画も進行中です。
アグリベース辻󠄀の概要
アグリベース辻󠄀は三重県東員町に所在し、約100ヘクタールの規模で農業を展開。名古屋都市圏に近接しており、地域の需要にも迅速に応える体制を整えています。稲作、麦、大豆などの生産に加え、園芸作物の栽培をも行い、通年での営農を実現しています。
その一方で、大型農機や自社のライスセンターを最大限活用し、効率的な生産手法を導入。地域からの作業委託ニーズも豊富で、さらなる成長が期待される企業です。
今回の株式取得によるシナジー効果
ヤマタネとブルーシード新潟による共同出資は、アグリベース辻󠄀の持つ大規模生産のノウハウをブルーシード新潟に適用することが主な目的です。この連携を通じて、実用性のある新たな管理手法や生産技術の継承が可能になると見込まれています。
また、中部以西での事業拡大を通じて、ヤマタネグループ全体でのコメビジネスの強化が期待されます。ブルーシード新潟での試験的な取り組みを同社に展開することで、農業の更なる発展に寄与する考えです。
今後の展望
ヤマタネは本件に関する一連の取り組みを通じて、持続可能な農業経営モデルの確立を加速させる意向を示しています。今後の連結会計上の影響は軽微と考えられており、この事業戦略が実を結ぶことで、より良い地域社会の形成に寄与することを目標としています。
この協業を通じて、地域の農業振興だけでなく、持続可能な社会の実現にも貢献していくことでしょう。ヤマタネの次なるステップに目が離せません。