鉄道ファンの新しい楽しみ方!デジタルラリー施策の実施結果
2025年2月1日から3月15日まで、JRグループの4社が共同で実施した「東名阪交通系ICカード・デジタルラリー」が大きな注目を集めました。この施策は、鉄道ファンや日常的に公共交通を利用する人々に、新たな楽しみ方を提供することを目的としていました。
1. デジタルラリーの概要
このデジタルラリーは、JR東日本、JR東海、JR西日本のエリアを横断し、交通系ICカードを使って鉄道車両をモチーフとした限定のデジタルアイテム(NFT)を獲得できる形式で実施されました。参加者は、指定された9か所のスポットで交通系ICカードをタッチし、各地の魅力を楽しむことができました。
2. 参加者の動向と行動分析
本施策には、3,418人が参加し、累計で3,954回のICカードタッチが記録されました。デジタルラリーの面白さは、日常的な行動である『ICカードのタッチ』を通じて、NFTとの接点を持たせることに成功した点です。
参加者の行動を分析すると、エリアによって参加傾向が異なるものの、設置場所のアクセスや動線のクリアさが参加を促す要因となっています。多くの参加者は複数のスポットを訪問し、「完全制覇」を達成する喜びも味わいました。
3. NFTの取得とその効果
今回のキャンペーンでは、合計987個のNFTが発行されました。一度NFTを取得した参加者は、さらに他のNFTも欲しいと感じる傾向が見られ、特に「ソダテツ」というスマートフォンゲームと連携した形での活用が、参加者の興味を引く要素となりました。実際、NFTを取得した参加者の79.5%が複数のスポットを訪問し、意欲的にラリーに参加しました。
しかし、一方でWeb3ウォレットを開設したのは15.1%にとどまり、NFT取得に至らなかった参加者が多数を占めていました。このことは、今後の施策においてUX(ユーザー体験)の向上や心理的障壁を下げる工夫が必要であることを示唆しています。
4. ユーザーの声と今後の展望
参加者へのアンケートでは、「鉄道が好きだから」という理由が62.2%を占め、スタンプラリー形式の楽しさも36.2%に支持されました。総じて84.6%の参加者が施策に満足し、NFTを報酬としたシステムが評価されたことが分かりましたが、一方でキャンペーンの期間延長やエリアの拡大、アクセスが良い場所へのスポット増設等の改善点が挙げられています。
5. おわりに
鉄道業界だけでなく、多分野への応用も期待されるNFTやブロックチェーン技術。今後もJRグループとしては、異業種との連携を進めながら、鉄道の魅力をデジタルコンテンツで発信し続けていく意向を示しています。「東名阪交通系ICカード・デジタルラリー」を通じて得られた経験は、さらなる技術の社会実装に向けた大きな一歩と言えるでしょう。これからの取り組みにも、ぜひ注目を!