食品微生物を学ぶ特別講義の報告
今年5月22日、ケンコーマヨネーズ株式会社の品質保証室の職員による特別講義が東京農業大学で行われました。この講義は、食品製造における微生物との向き合い方や、品質管理の重要性について学ぶ機会となりました。
講義のテーマは「食品微生物の調査・研究から見えてくる品質管理の考え方~腐敗・変敗・食中毒リスクとどう向き合うか~」。これは、約40名の分子微生物学専攻の大学院生を対象にしたもので、食品工場における衛生管理や微生物リスクに対する科学的アプローチについて学ぶ貴重な内容でした。
食品工場における衛生管理の重要性
講義の初めに、食品工場の衛生管理の考え方について説明がありました。ケンコーマヨネーズの製品群は多様であり、それぞれの製品や工場において適した衛生管理の手法が求められます。この中で、食中毒予防の基本原則を製造プロセスにどう落とし込むかについて、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の考え方を用いて説明がありました。
重要管理ポイント(CCP)を設定し、集中して管理することが必要であり、そのために「ハードルテクノロジー」を使った微生物増殖抑制の方法も紹介されました。これにより、各製品の特性に応じてリスクを低減できるという視点が示されました。
腐敗菌と食中毒菌のリスク
講義の後半では、腐敗菌と食中毒菌の違いについて解説が行われました。特に、食品メーカーとして食中毒菌による事故を避けることが最優先でありつつも、腐敗菌も品質に大きく影響するリスクであることが説明されました。具体的な菌の例を挙げ、どのようにそれぞれのリスクに取り組むべきかが詳しく語られました。
食品の安全性確保に向けたリスク評価
最後に、食品の安全性を確保するプロセスとして、各製品において危険となる微生物、つまり指標菌を見極めることの重要性を強調しました。製品の仕様や加熱・殺菌条件がそれらの微生物に対して有効であるかを検証するプロセスについても言及されました。
この実験では、実際に指標菌を製品に接種し、安全性が担保されているかを確認するテストが行われ、得られたデータを基に製品設計がなされます。食品の安全性は、最終検査で担保されるものではなく、設計段階から科学的に構築されるべきであるという考えが寄せられました。
学生たちの反応と今後の展望
この講義では、「身近な食品のテーマで面白かった」「普段食べているものがどのように微生物管理されているのか」の理解が深まったとの感想が学生たちから寄せられました。質疑応答による活発なコミュニケーションもあり、彼らの関心と学ぶ姿勢が印象的でした。
今後、ケンコーマヨネーズは、教育機関との連携をさらに強化し、次世代の専門人材の育成に努めていきます。また、品質保証と品質管理体制を一層強化し、安全で安心な製品を提供し続ける方針です。
実施概要
- - 日時: 2023年5月22日(金)16時20分~17時50分
- - 会場: 東京農業大学 世田谷キャンパス(東京都世田谷区桜丘1丁目1−1)
- - 対象: 東京農業大学大学院 生命科学研究科 分子微生物学専攻 修士課程1年生
企業情報
- - 会社名: ケンコーマヨネーズ株式会社
- - 代表者: 代表取締役社長 島本 国一
- - 所在地: 東京都千代田区麴町五丁目1番地
- - 創立年月: 1958年3月
- - 資本金: 54億2,403万円(2025年3月末時点)
- - 事業内容: サラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品等の食品製造販売
- - URL: ケンコーマヨネーズ公式サイト