Shippio Clearがもたらす通関業務の効率化
株式会社Shippioが、AI通関業務クラウドサービス「Shippio Clear」の提供を2025年9月に開始すると発表しました。このサービスは、通関業務の効率化を目的としており、通関士がより専門的な作業に集中できる環境を整えることをめざしています。
通関業務の現状と課題
近年の輸出入量の増加に伴い、通関許可件数は2016年から2024年までで8倍に達しましたが、通関従事者の人数は横ばいのままです。このため、人手不足が深刻であり、担当者の業務負担も増え、課題が山積しています。手作業による処理や未整備な業務フローは非効率の最たるもので、通関手続きのミスを防ぐために必要な二重確認作業も、貴重なリソースを浪費しています。
Shippio Clearの特徴
「Shippio Clear」は、AIを駆使した通関業務のためのクラウドサービスです。Shippioのグループ会社である協和海運と共同で行った導入テストにより、通関業務全体で約7割もの効率化を実現しています。これにより、通関士は日常業務から解放され、専門性を活かした高度な業務に注力できます。
主な機能
- - AI OCR機能: さまざまなフォーマットの貿易書類に対して、97%の読み取り精度を誇ります。これにより、手作業での入力ミスと二重確認工数が、大幅に削減されました。
- - 自動計算機能: 品目ごとの数量や総量を自動で計算し、必要な全項目をワンクリックで申告書フォーマットに変換することが可能です。
- - 過去データの活用: クラウド上で蓄積されたデータを利用することで、さらなる業務の効率化が進みます。
Shippioの他の貿易管理クラウド「Shippio Works」(物流事業者向け)や「Shippio Cargo」(荷主向け)との連携により、貿易案件の管理から通関までを一元的に行えるため、業務全体の効率化が期待されます。
利用企業の声
実際に「Shippio Clear」を利用している企業からは、明確な業務改善の声が上がっています。
- - NKインターナショナル株式会社: 書類の自動CSV化により、確認作業が大幅に短縮され、業務効率が飛躍的に向上しました。通関士は事務作業から解放され、より専門的な業務に集中できるようになりました。
- - 山久陸運: AIによるHSコードの選定は、経験が浅い社員のサポートにもなり、業務の属人化を防ぐ役割を果たしています。
- - 菱神運輸: 通関書類の手入力が不要となり、高いOCR精度によって作業効率が大幅に改善しました。
これらの企業は、「Shippio Clear」を導入することで、通関業務の効率化と正確性の向上を実現し、企業全体の生産性向上に寄与しています。
今後の展望
Shippioは「Shippio Clear」の機能拡張を予定しており、数ヶ月以内に海上輸送の輸出通関対応や、NACCSとの連携機能を実装する計画です。また、9月には国際物流総合展が開催され、Shippio Clearのデモも展示される予定です。
2025年6月からは新たなEPA関税認定アドバイザー制度が始まるため、通関士には新たな役割が期待されます。このように、Shippioは通関業務の属人化や手作業からの解放を実現し、専門性の高い新たな仕事の創出に貢献していきます。これによって、国際物流のさらなる進化とデジタル化が進むことでしょう。
Shippioについて
Shippioは、「国際物流を、アドバンストに」をビジョンに、国際物流プラットフォームを提供しています。顧客の国際物流DXを実現するため、様々なクラウドサービスを展開しています。詳細は
公式サイトをご覧ください。