2025年のリモートワークの行く先は?企業の「拡大 or 縮小」の現状とは
新型コロナウイルスの影響で急速に広がったリモートワークですが、2025年現在、その実施率は減少傾向にあると言われています。株式会社SMBによる最近の調査結果では、リモートワークを実施している企業の状況について詳細が明らかになりました。
調査の概要
本調査は、2025年5月8日から9日にかけて実施されました。対象は、リモートワークが行われている企業の経営者や管理職を含む1,004人。調査はPRIZMAによるインターネットで行われました。
リモートワークの実施状況
企業におけるリモートワークの形態について尋ねたところ、最も多かったのが「出社とリモートワークのハイブリッド(45.7%)」であり、大部分は出社を伴う勤務形態が主流です。一方で、コロナ前からのリモートワークが続いている企業もあり、フルリモートの企業はわずか11.2%となっています。
多くの企業がリモートワークを問題なく実施できていると回答しており、実に82.5%が「とてもそう思う」または「ややそう思う」と表明しています。しかし、2割近くはリモートワークの実施に不安を抱いていることも分かりました。
リモートワーク実施の理由と課題
リモートワークが問題なく実施できていると感じる企業は、以下のような理由を挙げました:
- - パフォーマンスが落ちていない(40代、大企業)
- - 管理体制が整っている(40代、小企業)
- - ITツールが充実している(50代、中小企業)
- - 生産性が上がっている(60代、小企業)
一方で、リモートワークに不安を感じる理由には、ここでの情報共有の難しさやコミュニケーション不足が挙げられています。特に「実態が見えにくい」という不安が多くの企業で共通しています。
将来的な方向性
今後のリモートワークに関する方針については、多くの企業が「継続」する方向であるとしています。
- - 小企業:75.6%が継続
- - 中小企業:74.8%が継続
- - 大企業の継続意向は80.3%
これに対する回答からは、リモートワーク推進への意欲が企業の規模に関わらず存在していることが見て取れますが、特に中小企業が拡大を検討する割合が高いことも特徴的です。
リモートワークのメリットとデメリット
リモートワークの主なメリットには、通勤負担の軽減と従業員の満足度向上が挙げられました。企業が抱えるデメリットとしては、コミュニケーションが減少し、業務の進捗を把握しづらいことが目立っています。
特に大企業では、これらの問題が顕著であり、それに対処するために様々な手段やツールが導入されつつあります。
コミュニケーションの重要性
全体的に、リモートワーク環境におけるコミュニケーションの重要性が強調されています。約8割の企業が、業務進捗やタスク管理はチャットツールやミーティングを通じて確認していると回答していますが、それでも補完的な手段として個別面談が依然として必要とされています。
まとめ
リモートワークを実施している企業の大多数が「問題ない」と感じつつも、進捗の把握やコミュニケーションに関しては十分ではない状況です。企業はリモートワークのメリットと課題を備えつつ、今後も柔軟な運用に向けた取り組みを続けていく必要があります。この調査結果は、リモートワークの今後を占う上での貴重な指標となるでしょう。