保健教育の未来
2026-04-01 20:15:41

東ティモールにおける保健教育の未来を築く新事業が始動

東ティモールにおける保健教育の未来を築く新事業が始動



日本財団の助成を受け、特定非営利活動法人シェア(国際保健協力市民の会)は、2026年4月より東ティモール民主共和国で「初等保健教育の普及に向けた基盤整備事業」を開始します。このプロジェクトは、東ティモール国立大学教育学部との協力のもと、教員養成課程に保健教育を体系的に組み込むことで、全国の小学校で持続的に保健教育を実施できる人材育成の仕組みを構築することを目的としています。

世界保健デーと健康教育



毎年4月7日は、世界保健機関(WHO)が定めた「世界保健デー」です。この日に、WHOは教育が健康を支える基盤であるとの重要性を強調しています。特に学校教育は、子どもの健康行動の形成において重要な役割を果たすといわれています。学校における健康教育は、感染症予防や栄養、思春期の健康、衛生習慣の形成など、生涯にわたる健康を培う機会を提供します。

東ティモールにおいては、子どもの健康と教育を取り巻く課題が依然として深刻です。UNICEFによると、5歳未満児の発育阻害は47.1%に達しており、また、学校における基本的な水・衛生環境も十分に整備されていない地域が多く存在します。こうした中、学校環境での健康教育の強化は、子どもの健康のみならず、その学習機会の確保にも寄与する重要な政策課題と位置づけられています。

教員養成課程の課題



さらに、東ティモール教育省では小学校のカリキュラムに保健科目が含まれているにもかかわらず、多くの学校で十分な授業が行われていません。その背景には、教員養成課程で保健教育が体系的に教えられていないことが挙げられます。この結果、教員は保健教育に必要な知識や指導法を学ぶ機会が限られ、重要な学びの場である学校において、子どもたちが基本的な知識を吸収する機会を逃すという事態が生じています。

シェアによる改革の展望



本事業では、東ティモール国立大学教育学部と連携し、教員養成課程に保健教育を効果的に導入する取り組みを進めます。具体的には、大学教員への研修や教材の開発、学生向け学習教材の整備、教育実習と統合した授業実践、現職教員への指導などを通じて、大学と小学校の連携を深める実践モデルを構築します。これにより、卒業時には保健授業を実施できる教員を育成し、将来的には全国の小学校において保健教育が持続的に行われる基盤を整えます。

また、この事業は、東ティモール政府も進める高等教育制度改革ともリンクしており、大学教育の質保証やカリキュラム改革が現在進行中の中で、教員養成課程の見直しが求められています。大学、教育省、学校の各セクターが協力し、単なる研修にとどまらない持続可能な人材育成モデルの構築を目指しています。

事業の概要



この事業の正式名称は「東ティモールにおける初等保健教育の普及に向けた基盤整備事業」で、公益財団法人日本財団の助成を受けて実施されます。事業期間は2026年4月から2031年3月までで、ディリ県とアタウロ県を活動地域としています。連携機関には東ティモール国立大学教育学部と東ティモール教育省が含まれ、実施団体は特定非営利活動法人シェアです。

シェアのこれまでの取り組み



シェアは1999年から東ティモールでの活動を開始し、学校保健、保健教育、母子保健、水衛生の分野において教材開発や保健人材育成、行政連携を推進してきました。日本財団との連携により、現場の知見を教員養成制度との接続に活かし、子どもたちが健康を守る力を身につけられる社会の実現に向けて取り組んでいきます。

これに伴い、シェアでは、保健人材の育成や地域主導の健康づくりを支援するため、2026年3月16日から4月30日までマンスリーサポーター募集キャンペーンも行っています。月1,000円からの寄付で、保健教育や母子保健に貢献する「いのちを守る人」を支えることができます。詳細はシェアの公式ウェブサイトをご覧ください。


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