福島県玉川村における水道の進化
福島県の玉川村が、厚生労働省が掲げる“水道ビジョン”の実現に向けて一歩を踏み出しました。水道機工株式会社によって建設された四辻新田浄水場は、2024年10月に紫外線処理技術を導入し、安全な水供給の実現を目指しています。これは単に水道の整備だけでなく、地域全体の安心と安全を考えた大きな取り組みでもあるのです。
玉川村の水道ビジョンとは?
玉川村は、長年にわたり「村民と共に歩む心豊かな村づくり」を基本理念に掲げ、地域住民と行政が一体となった事業を進めています。2012年、厚生労働省の新たな水道ビジョンの提唱を受け、玉川村でも水道政策が見直され2022年、「玉川村水道ビジョン」が策定されました。このビジョンは安全で強靭な水道の継続を目的としており、将来的な水需要の増加に対処することを目指しています。
紫外線処理技術の導入背景
新たに導入された紫外線処理技術は、浅井戸水を原水とする四辻新田浄水場で実施されています。建設当時は水質が安全であることが確認されていましたが、未来の水質事故を防止し、より良質な水を確保するためにこの技術が選ばれました。紫外線処理は、クリプトスポリジウムやジアルジア等の病原性微生物にも効果的であり、これにより浄水場は安全性と信頼性を高めています。
紫外線処理の必要性
通常、細菌やウイルスに対しては塩素消毒が効果的であることが知られています。しかし、クリプトスポリジウムなどの一部の病原菌は塩素耐性があり、処理が難しい問題があります。1993年にアメリカで大規模なクリプトスポリジウム感染が発生したように、課題は国際的にも深刻です。紫外線処理はこれらの耐塩素性病原微生物に効果を発揮し、感染性を失わせることが可能です。加えて、従来の処理技術に比べて、コスト的にも優れ、導入がしやすい点が魅力です。
福島県玉川村の取り組みと反響
玉川村の地域整備課の塩澤賢一氏は、「このプロジェクトは、住民の安全な水確保を目的としており、震災以降、ライフラインの重要性を再認識するきっかけとなりました。紫外線処理装置の導入により、これまで以上に安全な水を供給できる体制が整います」と語っています。
水道機工株式会社の鷹栖茂幸氏も、「玉川村の自然資源を最大限に生かし、地域の水問題を解消できたことに喜びを感じています。これからも地域に寄り添った提案を続けて参ります」と述べています。
工事情報・水道機工について
新設された四辻新田浄水場は、福島県田川村の大字四辻新田の所在で、農業と住民生活を支える水源として期待されています。水道機工は1924年に創業し、今では856名の社員を抱え、様々な水関連事業を展開する企業です。持続可能な水環境の実現に向けて、今後も活動を続けていきます。詳細は
こちらをご覧ください。