名古屋市とsrest
2025-06-10 09:37:46

名古屋市が先駆けて導入するAWSコスト管理ツール「srest」とは

名古屋市がAWSコスト管理ツール「srest」を正式導入



名古屋市がガバメントクラウド環境における運用の効率化を目指し、AWSコスト管理ツール「srest」を正式に導入することが決定しました。この取り組みは、2025年度から本格運用に入る予定で、クラウド利用と財務管理の最適化を通じて、住民サービスの向上へとつながることが期待されています。

ガバメントクラウド環境への移行



名古屋市は、2022年に策定された「名古屋市役所DX推進方針」に基づき、AWSを基盤にしたガバメントクラウド環境への移行を始めました。このプロジェクトにおいて、各業務システムは個別に設計されているものの、それぞれ異なるAWSアカウントが使用されているため、運用上のさまざまな課題が顕在化していました。具体的には、クラウドコストの全貌を把握しにくく、手作業での経理業務が多く発生してしまう状況でした。

こうした課題を解決すべく、名古屋市は「srest」による実証実験を全国に先駆けて実施。これにより、複数のAWSアカウントにまたがる請求情報の可視化と業務の効率化が実現され、正式導入へとつながったのです。

実証実験の成果



この実証実験では、次のような成果が確認されました。

1. コスト可視化の実現: 各AWSアカウントの請求データを自動で収集し、業務ごとのコストが一目でわかる仕組みが整いました。これにより、財務管理の透明性が大きく向上しました。

2. 業務の効率化: これまで手作業で行われていた請求額の計算や帳票作成といった業務が大幅に簡素化され、検収業務にかかる工数が削減されました。

3. コスト最適化への貢献: 請求データを分析することで、一部サービスのコストが当初想定を上回っていたことが明らかになり、名古屋市でも無駄な支出を抑えるための対策が進められています。

4. 予算策定業務への活用: 過去の支出データを基に、翌年度の予算を見積もることができるようになり、データに裏付けられた予算編成が実現しました。これにより、財政の健全性が保たれ、予算設定が円滑に行えるようになりました。

「srest」とは



「srest」は、複数のAWSアカウントのコストデータを統合管理し、持続可能なコスト最適化を支援するツールです。直感的なダッシュボードを通じて、各部門やシステム単位の詳細なコスト分析が可能で、企業全体のクラウドコストに対する透明性を高める役割を果たします。

名古屋市の事例は、政府機関におけるデジタル改革の一環として、他の自治体にも広がる可能性を秘めた重要な取り組みです。今後も「srest」はガバメントクラウドへの円滑な移行をサポートし続けることが期待されています。

結論



名古屋市が「srest」を導入することで、クラウド利用と財務管理を統合的に最適化する体制がつくられ、業務の効率化やコスト削減が進むことが期待されています。この取り組みは、他の自治体のデジタル化の道しるべにも繋がるでしょう。


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