物価高に負けないアイスの魅力とは？心の満足を追求する消費者の実態

アイスは“癒しの相棒”？物価高でも買われ続ける理由

アイスクリーム市場の盛況

食品全体が値上げ傾向にある中、アイスクリームの市場はその逆境を乗り越え、2024年度には市場規模が6,451億円に達すると見込まれています。日本アイスクリーム協会によると、前年比でも販売金額と数量が共に増加しているとのこと。これを受け、データコム株式会社は20代から60代の男女450人を対象にアイスの消費に関する調査を実施し、その結果をもしれることになりました。

消費者の満足感が支えるアイスの人気

調査の結果、約81%の人々がアイスの価格上昇を実感していることが明らかになりました。しかし、その中でも約半数は「少し高いが満足感があるから購入している」と回答。これは、アイスが単なる食べ物ではなく、特別な価値を持つ商品として認識されていることを示しています。特に、女性において満足感が購買行動に強く影響している様子がうかがえます。

アイスを食べる理由は「ご褒美」

アイスを食べる理由についての質問からは、考えられていた以上の興味深い結果が得られました。最も多かったのは「自分へのご褒美」で22.6%、次に「冷たさが気持ちいい」が22.1%、そして「おいしいから純粋に楽しみ」が18.7%という順位です。特に「冷たさ」よりも「ご褒美」としての価値が強く意識されていることは、アイスが日常生活において心を豊かにする役割を果たしていることを示唆しています。

日常派とご褒美派の消費傾向

調査では、100円台の定番アイスと250円以上のプレミアムアイスのどちらに満足感があるかを尋ねたところ、「定番アイスを日常的に楽しむ」が約42%に達し、「プレミアムアイスをたまに楽しむ」が21.8%、残りの26.2%が「どちらも同じくらい満足」と答えました。これからも、日常的にアイスを楽しむ層が多いものの、プレミアムアイスを選ぶことで特別感を味わうことに満足している人も一定数存在します。

さらに男女による傾向の違いも見られ、男性は「日常的に楽しみたい」傾向が強く、一方で女性は「ご褒美」志向が強いことが明らかになりました。

高付加価値アイスへの期待

高付加価値のアイスに求める要素として最も多かったのは「贅沢な素材使用」で58.9%という結果が出ました。続いて「独自の食感」が32.0%、「複雑で洗練された味わい」が30.7%と続き、消費者がアイスに対して品質や体験を大切にしていることが浮き彫りになっています。また、見た目の美しさや希少性といった要素も求められている一方で、基本的な「味」や「素材」への期待が高いことも見逃せません。