AGCの人事システムにAI型DAP「テックタッチ」を導入
株式会社電通総研(以下、電通総研)とテックタッチ株式会社(以下、テックタッチ社)が共同で、AGC株式会社(以下、AGC)の人事システムにAI型次世代DAP「テックタッチ」を導入することが発表されました。このシステムは、AGCの全従業員に向けて2025年2月から稼働を開始する予定です。
背景
AGCは「AGC plus-2026」という中期経営計画を通じて、「価値創造DXの推進」と「経営基盤の強化」を戦略の中核に据えています。これまでに経済産業省から4回も「DX銘柄」に選定されており、デジタル変革を加速させています。しかし、人事システムにおいては、年1回しか行わない年末調整や結婚・転居届に関連する手続きで、従業員が操作に不慣れであったり、専門用語の理解不足から入力ミスが発生するという課題がありました。これにより人事部門への問い合わせが増えたり、差し戻し作業が発生するなどの問題が深刻化しています。
このような状況を受け、AGCは既存のシステムを大幅に改修することなく、業務効率化と従業員の利便性向上を実現する方法を模索しました。その結果、「POSITIVE」というシステムに、豊富なテンプレートを提供する「テックタッチ」を導入することが決定されたのです。
「テックタッチ」導入のポイントと効果
1. リアルタイムナビゲーション
「テックタッチ」は、画面上にリアルタイムで操作手順を表示します。この機能により、専門用語の解説や入力ルールが適切なタイミングで案内され、入力ミスを未然に防ぎます。また、自動転記機能により同一情報の重複入力を削減し、申請プロセス全体の効率も向上します。
2. 専用テンプレートによる効率化
長年にわたりAGCの人材マネジメント基盤として「POSITIVE」を提供してきた電通総研は、今回の導入において両システムの役割を整理し、一貫した支援体制を整えました。「テックタッチテンプレート for POSITIVE」を通じて、導入プロセスの効率化と迅速なシステム立ち上げを実現しました。
3. 業務効率化とユーザー満足度の向上
導入後、AGCでは「テックタッチ」のガイド機能を利用することで、生産性の改善効果を約1,000時間分確認しました。ユーザーアンケートでは、約65%の回答者が「操作がしやすくなった」とし、68%が「今後の取り組みに期待」と述べているほか、「申請項目を探す手間が省け、楽に利用できた」という意見も寄せられ、業務体験の質が向上したと確認されています。
今後の展開
今後、電通総研とテックタッチ社は「テックタッチテンプレート for POSITIVE」の機能強化やデータ分析を進め、企業のDX推進に寄与していく意向です。さらに、導入効果を踏まえ、他の基幹システムへの適用拡大を目指し、より広範な業務領域でのデジタル活用支援に取り組む予定です。
テクノロジーを駆使して進化を続けるAGCの取り組みは、他の企業にとっても貴重な事例となるでしょう。今後のさらなる展開が注目されます。