グリッドスカイウェイとは?
東京都港区に所在する「グリッドスカイウェイ有限責任事業組合」は、国内の主要送配電事業者で構成される15社が連携した新しい組織です。この取り組みは、全国的な送電線上空のドローン航路プラットフォームを統一的に運営することを目的としています。
最近、東北電力ネットワークと電源開発送変電ネットワークの2社が新たに組合員として加わり、より一層の体制強化が図られました。この連携体制の構築により、北海道から沖縄まで、送電線を利用したドローン航路の実現が期待されています。これにより、政府が進める「デジタルライフライン全国総合整備計画」とも合致した取り組みとなると言えます。
ドローン航路プラットフォームの概要
グリッドスカイウェイは、ドローンを活用した社会インフラの整備に力を入れています。主な目的は、電力設備の点検だけでなく、災害対策や物流の分野でもドローンの利用を拡大することです。特に、少子高齢化に伴う労働力不足や自然災害の激化といった社会的な課題へのアプローチがこのプロジェクトの重要な部分を占めています。
2025年1月からは、東京電力パワーグリッドおよび中国電力ネットワークへの商用サービスが始まります。具体的には、ドローンを用いた自動飛行サービスが導入され、遠隔からの設備巡視や点検が行われる予定です。これにより、現在4,600kmの準備が整った関東・中国地方でのサービス展開が加速します。
全国展開に向けた計画
グリッドスカイウェイは、2027年度までに全国約1万kmのドローン航路整備を目指しています。このために、3つの主要な柱として以下の目標を掲げています。
1.
全国統一の仕様に基づくドローン航路の拡大
2.
災害対応や物流など、高い社会的ニーズのある分野への適用
3.
政府が策定する各種制度に基づく運航管理システムの構築
ドローン航路の整備は、経済産業省の「デジタルライフライン全国総合整備計画」にも一致したものであり、持続可能な社会の構築に寄与します。
参画企業の貢献
グリッドスカイウェイの活動は、多くの事業者の支持を受けて進められています。東京電力パワーグリッド、中国電力ネットワーク、さらに東日本旅客鉄道などの企業が、業務の見直しや環境整備を通じて、ドローン技術の実装を後押ししています。また、NTTデータや日立製作所といったIT企業が、高い安定性をもった受信機やシステムの構築を担い、プロジェクトの成功に寄与しています。
地域のインフラを支え、未来の技術を育んでいくグリッドスカイウェイ。今後の展開がますます楽しみです。