いじめ予防の新しい形を提案する絵本『きみのとなりのクラスピ』
いじめが問題視され続ける中、新たなアプローチとして絵本『きみのとなりのクラスピ』が登場しました。2026年3月19日に世界文化社から出版されるこの本は、いじめに関する研究成果を基にしており、子供たちに向けた目新しい教育ツールとして注目されています。
いじめの真実を知るために
多くのいじめの加害者は、自分がいじめを行っている自覚がないという衝撃的な事実があります。「冗談だと思った」、「あの子が悪いから」など、自分の行為を正当化してしまうのです。このため、従来の「いじめは決して許されない」という教育方針には限界があると指摘されています。
『きみのとなりのクラスピ』では、こうした間違った考えを「クラスピ」というキャラクターを通じて視覚的に表現しています。子供たちは「自分にもこういう考えがあるかもしれない」と考える機会を得て、自身の思い込みに気づくことができます。それによって、無意識に加害者となることを防ぎ、自己反省する力を育むことが本書の目的です。
クラスピの役割
この絵本では、クラスピが普段、子供たちの前向きな行動を見守っている存在として描かれており、元気挨拶をする子の傍には「ごきげんモンキー」、誰かに声をかける子の横には「おたすけヒツジ」がいます。これらの「いいクラスピ」は、やさしさやあたたかさを持ってクラスの雰囲気を盛り上げ、子供たちに前向きな行動を促します。
しかし、逆に間違った考えを持つと、彼らは「こまったクラスピ」に変わってしまいます。「ごきげんモンキー」は「やりすぎモンキー」、「おたすけヒツジ」は「びくびくヒツジ」に変身し、いじめと関連する負の側面を立体的に示しています。このように、まちがった考え、つまり「シンキングエラー(R)」の存在を認識し、改善していく重要性を子供たちに伝えることが、この絵本の大きなテーマです。
学びの場を広げる
さらに、本書は道徳や特活、学活といった授業だけでなく、学童や家庭での読み聞かせにも最適です。巻末には大人向けの情報ページも搭載されており、保護者や教育者も「シンキングエラー」について学ぶことができる内容になっています。
著者とイラストレーターのプロフィール
作のかどかわりょうへいは、教育企業で教材の企画や開発を手がけた後、小学校教員を務め、すなばコーポレーションを設立。いじめ予防のための「クラスピ」も共同開発しています。絵を担当するツダキミノは、イラストレーターとして様々な教育向けの作品を手がけており、キャラクターデザインを一手に担当しました。
発刊情報
- - タイトル: きみのとなりのクラスピ
- - 作: かどかわりょうへい
- - 絵: ツダキミノ
- - 監修: 公益社団法人 子どもの発達科学研究所
- - 発売日: 2026年3月19日
- - 定価: 1,870円(税込)
- - 仕様: A4変型、34ページ
- - 発行: 株式会社世界文化社
この絵本を通じて、子供たちがいじめについて新たな視点を持つことを期待したいです。いじめをなくすための第一歩として、多くの人々に手に取ってほしい一冊です。