岡山大学の冨樫庸介教授は、同大学の学術研究院医歯薬学域(医)に所属し、がん免疫研究の分野で注目を集めています。2026年1月、彼は「第22回(令和7年度)日本学士院学術奨励賞」を受賞することが発表されました。この賞は、優れた研究成果を上げた若手研究者を顕彰し、更なる研究活動への奨励を目的としており、毎年数名が選ばれます。冨樫教授の研究に対する評価は高く、授賞式は2027年2月3日に東京都内で行われる予定です。
受賞の背景
冨樫教授が受賞した理由は、彼の研究ががん細胞が宿主の免疫反応から逃避するための新たなメカニズムに光を当てたためです。特に、彼の研究はがん細胞の変異ミトコンドリアが、周辺のTリンパ球に影響を与え、その機能を抑制することを明らかにしました。これはがん細胞が如何にして免疫系を回避するかに関する重要な洞察をもたらすもので、がん免疫療法の発展にも大き寄与することが期待されるのです。
研究の詳しい内容
冨樫教授は、がん細胞の持つ異常なミトコンドリアが細胞外に放出され、周囲のTリンパ球に取り込まれるという現象を発見しました。これにより、Tリンパ球の内部ではミトコンドリアのコピー数が増加し、結果としてがん攻撃に必要な抗腫瘍効果が落ちることが示されています。このメカニズムは従来理解されていたものとは異なり、がん細胞がいかにして宿主の免疫から逃れるのか、新たな視点を提供しています。
研究所が正式に設立されたのは約5年前であり、教授はその際に、他では得難い独創的なテーマに取り組むことを約束しました。当初は偶然の出会いから発見されたこのテーマに関して、多くの研究者やメンバーの支えを受けながら進められた結果、現在の成果に至ったと彼は述べています。
今後の研究では、免疫療法の効果が高い患者を識別するための指標や、ミトコンドリアの伝播を抑制する治療法について基礎研究と臨床を通じて検証していく意向を示しています。彼の成果は、がん治療の新たな可能性を切り開くものと期待されているのです。
まとめ
冨樫教授の受賞は、がん研究の現場において大きな影響を与えることが見込まれています。あらゆるがん治療へのアプローチが進化する中で、彼の研究が未来のがん免疫療法の礎となることが期待されています。全国の研究者や医療従事者からの更なる注目が、今後も集まることでしょう。このような革新的な研究が、医学界に新たな希望をもたらすことを願っています。