メットライフがパインブリッジを買収、資産運用ビジネスの拡大を加速
メットライフがパインブリッジを買収
2024年12月23日、米国のメットライフが、資産運用ビジネスを展開するメットライフ・インベストメント・マネジメント(MIM)を通じて、グローバル資産運用会社であるパインブリッジ・インベストメンツを買収することで最終合意に至ったとの発表がありました。この買収は、9億ドルにのぼる取引で、MIMのビジネス拡大に寄与することが期待されています。
この買収により、MIMの預かり運用資産は7,000億ドルを超えると予想されており、メットライフの「New Frontier戦略」に基づいた取り組みがさらに進むこととなります。メットライフの社長兼CEO、ミシェル・A・ハラフ氏は「パインブリッジの買収は、当社の資産運用の成長を加速させる重要なステップです」とコメントしています。
特に興味深いのは、MIMが強化されることで、非有機的な成長の機会が更に増加する点です。メットライフは既に有機的な成長を活用しており、今後は買収による成長戦略も取り入れることで、さらなるビジネス拡大を図ります。特にパインブリッジの強固な金融基盤がMIMに統合されることで、顧客に対して新しいソリューションを提供できる可能性が広がっています。
買収の対象には、パインブリッジのプライベートエクイティファンドグループ事業や中国の合弁事業は含まれていませんが、それ以外の多くのビジネスがMIMのセクターに加わります。MIMが持つ顧客資産の約半分は海外の投資家が保有し、その約3分の1がアジア地域に集中していることから、今後の国際的な影響力も期待されます。
パインブリッジを率いるGreg Ehret氏も「この買収は我々にとって重要な転換点となります。MIMとの統合が、クライアントへのさらなる価値提供を実現する新たな基盤を構築するでしょう」と語っています。
メットライフの最高財務責任者John McCallion氏は、今回の取引によって公社債や私募債の取り扱いを拡大することができ、グローバルな運用能力を強化し、すでに堅実な基盤を一層強固にできると強調しました。
パインブリッジの歴史を振り返ると、1996年にAIGの投資顧問・資産運用部門として設立された後、2010年にパシフィック・センチュリー・グループに買収されています。この新たな動きは、MIMが今後成長を加速させ、構造的な変化に対応するための重要な一歩とみなされています。
この取引は、規制当局の承認などの通常の条件が満たされることで、2025年に完了する予定です。MIMにとって、パインブリッジの買収は長期的な戦略をさらに加速させるための大きな要素となるでしょう。メットライフが描く未来に期待が高まります。