観光イベント分析
2025-04-30 15:48:48

人流データが示す東京の観光イベント分析レポートVol.3

東京の観光イベント分析レポートVol.3



東京観光財団(TCVB)と東京都立大学の共同研究によって、最新のイベント効果に関する分析レポート「人流データを活用した都内訪問者の行動傾向」Vol.3が発表されました。このレポートでは、株式会社ブログウォッチャーが提供する人流データを利用して、都内の訪問者がどのような行動を取るのかを探ることを目的としています。

目的と概要



TCVBは、2022年度から「おでかけウォッチャー」という観光動態分析ツールを導入し、東京都内の約1,900箇所の観光スポットをモニタリングしています。このデータを活用し、特にイベントが開催される地域の集客効果を定量的に測定することに取り組んでいます。今回の分析は、2024年に実施される都内5つの地域(中央区、港区、台東区、墨田区、八王子市)における様々なイベントの集客効果についての評価を行いました。

イベントの分析視点



本レポートでは、イベントの効果を測定するための4つの視点を用いました。これにより、日別来訪者数の分布や、居住地からの距離、周辺スポットへの波及効果、イベントごとの来訪者数の時間帯別ピークを分析しています。

近隣集客型や中長距離集客型の明確化



分析対象となったのは、べったら市や麻布十番納涼祭、隅田川花火大会等を含む15のイベントです。これらの分析から、イベントの特性を分類することができました。近隣集客型と中長距離集客型の特徴について、東京では、地域で伝統的に行われる祭りは近隣の来訪者が多く、逆に全国的に有名なイベントは遠方からの集客が多いという傾向があります。

具体的なイベント分析結果



中央区のつきじ獅子祭(2024年6月開催)


この祭りでは、祭り期間中に来訪者数が大幅に増加し、その大多数は40km未満の距離から来る近隣集客型であることがわかりました。周囲の築地場外市場との関連性も示唆されており、集客施策の有効性が期待されます。

港区の泉岳寺義士祭(2024年12月開催)


3日間の祭りの中日である12月14日には、特に多くの来訪者が見られ、40km以上の遠方からの参加者も多いことから中長距離集客型が分類されました。ただし、周辺スポットへの波及効果は限定的でした。

台東区の三社祭(2024年5月開催)


祭りの期間中には、浅草エリアで最も多くの来訪者を記録し、こちらも近隣からの集客が主な傾向として見受けられました。周辺スポットの来訪者も増加し、地域への波及効果が確認されました。

墨田区の墨堤さくらまつり(2024年3月~4月開催)


桜の開花に合わせたこの祭りも、遠方からの来訪者が増え中長距離集客型と見なされました。周辺の商業施設にも波及効果があったことが確認されています。

八王子市の高尾山若葉まつり(2024年4月~5月開催)


来訪者が増加し、中長距離集客型と判断されましたが、地域的な特性から高尾山の魅力が通年にわたって評価されていることも伺えます。

イベント効果の地域活用方法



分析結果を地域にどのように活用するかが重要です。近隣集客型のイベントを活性化させる方法や新たなインバウンド誘客も視野に入れて考える必要があります。達成可能な観光戦略を策定し、地域の祭りを有効に活かしていく姿勢が求められます。

まとめ



このレポートを通じて、イベントの集客効果を定量的に評価する重要性が再確認されました。地域における観光政策の観点から、研究結果やデータを基にした戦略的な運営が求められます。今後も東京の魅力を引き出すために、新たな取り組みが期待されます。


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