Kiteの新CAR T療法
2025-12-23 15:18:26
Kiteの次世代CAR T細胞療法、再発LBCLに高い奏効率を示す新たなデータ
Kiteの次世代CAR T細胞療法が示す新たな希望
Kiteは12月6日に、次世代バイシストロニックCAR T細胞療法に関する新しいデータを発表しました。この研究は、再発及び難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(R/R LBCL)患者に対する第I相試験の結果を基にしています。
この試験では、2つの新しいバイシストロニックCAR T細胞製品、KITE-753およびKITE-363が使用されました。いずれもがん細胞表面に存在する2つの抗原、CD19およびCD20を標的とし、免疫系ががんと戦うのを支援する設計がなされています。特にKITE-753は、T細胞のフィットネスを維持するための新しい製造プロセスを取り入れており、今回のデータでは79%の高い完全奏効率(CR)が確認されました。
臨床試験の詳細と結果
KITE-753およびKITE-363の試験は、非盲検で多施設共同の形で実施され、どちらもリライン治療歴のある67名の患者が登録されました。30名がKITE-753を、37名がKITE-363を投与され、それぞれの奏効率や安全性が厳密に評価されています。
KITE-753の調査結果では、中央値の追跡期間が4ヶ月の時点で、14名中11名(79%)の患者においてがんが完全に消失したことが報告されています。更に、KITE-753は、KITE-363の用量の10分の1でありながら、確実な増殖を示すなど、その効果が際立っています。
安全性と副作用
KITE-753は引き続き有望な安全性プロファイルを維持しています。重大な用量制限毒性は確認されていないものの、血球減少症などの軽度な副作用が95%の患者に見られました。しかし、重篤な副作用はそのうち26%でした。
一方KITE-363のデータでは、追跡期間17.5ヶ月で70%以上の患者が寛解を維持している結果が得られました。この課題でも忍容性は良好で、用量制限毒性や重篤な副作用はほとんど報告されていません。
医師の見解
スタンフォード大学のSaurabh Dahiya医師は、CAR T細胞療法による新たな希望を語り、従来の治療法では難しい治癒の可能性について触れました。新しいKITE-753およびKITE-363のデータは、今後の臨床試験において非常に重要な証拠となると述べています。
大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)とは
LBCLは、非ホジキンリンパ腫において最も多いタイプであり、米国だけでも年間18,000人以上がこの病気に新たに診断されています。約30%から40%の患者が再発もしくは治療に抵抗性となり、新たな治療法が急務となっています。
新たなデータが示したKITEの次世代CAR T細胞療法は、再発LBCL患者にとって明るい光となる可能性を秘めています。治療の選択肢が少ない中で、Kiteの取り組みは今後のがん治療の新しいスタンダードとなることが期待されます。