世界初の全自動復旧システムの実現
近年、自然災害やサイバー攻撃が増加する中、企業が求めるのは、万が一の事態に迅速に対応し、業務を継続できるシステムです。そんなニーズに応えるべく、日立製作所とNTTドコモビジネスが共同開発したのが、600km以上離れたデータセンター間での完全自動復旧システムです。このシステムは、広域災害対策が可能な新技術を活用し、ミッションクリティカルなシステムの業務継続性を向上させるものです。
1. 画期的なシステム構成
この実証実験は、日立のストレージ技術とNTTグループのネットワークIOWN® APNを組み合わせた「Borderless Data Share」を基に行われました。両社は、レッドハットと日本オラクルの協力を得て、災害時でもデータ保全性を維持しながら業務を継続することを目指しました。
具体的には、ミッションクリティカルなシステムの要件を軽減するために、ストレージ、仮想化基盤、データベースの各層を統合した環境が構築され、障害から業務再開までのプロセスを全自動化しました。これにより、業務停止時間を最小限に抑えることが可能となり、迅速な業務再開を実現しました。
2. 実証実験の結果
この実証実験では、主サイトでのシステム停止を想定し、本システムの評価を行いました。以下の3点が確認され、システムの有効性が実証されました。
1.
10分での業務再開: 障害発生後、アプリケーション層まで全自動復旧が行われ、業務再開までの時間が約10分に短縮されました。これは、ミッションクリティカルなシステムにとって非常に重要な成果です。
2.
データ保全性の維持: 600kmを超える距離においても、データの一貫性を保ったまま業務を再開できることが確認されました。副サイトにおいても、データベースの正常な稼働が確認され、システム全体でのデータ保全が実証されました。
3.
コンテナアプリケーションの実現性: 今回の実証により、Red Hat OpenShift上で、通信遅延を乗り越えた距離間データの同期が可能であることが確認されました。これが災害対策を考慮したコンテナアプリケーション基盤の運用可能性を示しています。
3. 今後の展開
日立とNTTドコモビジネスは、今回の実証で得た知見をもとに、災害対策システムのさらなる強化を目指します。特に金融分野など、ミッションクリティカルな領域への適用を拡大し、事業継続を支える実用的な災害対策ソリューションを提供する計画です。
また、災害時だけでなく平常時のデータセンターの効率的運用にもBDSの活用が期待されており、地域の経済や社会の発展に貢献していく所存です。
4. 2026年の展示会での紹介
この取り組みの成果は、日立が開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2026 JAPAN」においても発表される予定です。展示会では、実証プロジェクトの詳細が紹介され、業界の関心が高まることが期待されます。
日立、NTTドコモビジネス、レッドハット、日本オラクルの連携を通じて、今後の技術革新における新たな道を切り開くことが期待されています。