福井県坂井市での特別な指導
福井県坂井市にある丸岡中学校で、伝説のプロドラマー・長谷川清司さんが、後輩たちに向けて特別なドラム・クリニックを開催しました。7月28日、長谷川さんが母校を訪れ、吹奏楽部の生徒たちを前にそのスティックさばきと情熱的な指導が披露されました。
このドラム・クリニックは、「吹奏楽のためのドラム・クリニックプロ直伝感じる演奏講座」と題して、坂井市教育委員会と丸岡中学校の共同企画で行われました。丸岡中学校の吹奏楽部員48人と、坂井中学校からの打楽器担当3人、計約50人が参加しました。
長谷川さんは、これまでにも母校での演奏を2度披露していますが、生徒への指導は初めての経験。今回は自身のドラムセットを持ち込み、基本から丁寧に教えるスタイルで進めました。
まず、生徒たちに集まってもらい、打楽器の基本的な練習を開始。彼はスネアドラムの持ち方や叩き方を指導し、「ドラムの高さやスティックの持ち方は非常に重要です。打面に対して水平に叩くことを意識してほしい」とアドバイスしました。また、自然な音を出すための力の入れ方として、「無理に力を入れても、ドラムは弾む音が出ません。スティックを握る場所を探して、弾ませるようにしていきましょう」と、生徒に寄り添うような視点で説明しました。
指導の中で、長谷川さんは「美しい音」を出すためのテクニックも披露しました。「波のような響きのプレスロールは、布に例えるなら絹のような音を目指しましょう」という表現で、生徒たちの理解を深めました。さらには、テンポキープや裏打ちの練習法も紹介。「ドラムは演奏をリードする役割がある」と、後半には吹奏楽部全員との合奏にも挑戦しました。
合奏では、クラリネットやトランペットとともに、「学園天国」や「マツケンサンバ」を演奏し、多彩な楽器たちのハーモニーを引き出しました。長谷川さんの指導のもと、サックスのメロディに合わせて、打楽器の音の調整なども大切にしながら、名演の数々が音楽室に響き渡ったのです。
指導を受けた3年生の大杉あさひさんは、「プロの演奏に圧倒された。ドラムの響きが普段の練習とは全く違った。細かい基本が参考になった」と感想を述べました。長谷川さんも「短い時間だったが楽しかった」と笑顔で締めくくり、吹奏楽部におけるドラムの重要な役割を伝えました。
長谷川清司さんの経歴について
福井県丸岡町生まれの長谷川清司さんは、53年のプロ歴を持つドラマーです。彼は有名歌手のバック演奏を数多く行い、延べ4000人を数えます。丸岡中学校時代に見たドラムセットに魅了されてドラマーを志し、その後、尚美高等音楽学院や東京藝術大学別科を卒業しました。クラシックやジャズなど多様な音楽ジャンルで活躍し、数多くのアーティストと共演しています。
2023年には、全作曲・編曲による「Step by Step」をリリースしたり、ドラムに関する教則本も上梓するなど、後進の指導にも力を入れています。長谷川さんの情熱は、母校での指導を通じて更に多くの才能に受け継がれていくことでしょう。