TBSとWOWOWが手掛けた革新的映像伝送ソフト「Live Multi Studio」
近年、映像制作の現場でますます求められる高品質な映像伝送技術。そんな中、株式会社WOWOWと株式会社TBSテレビが共同開発した映像伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」(以下「LMS」)が、一般社団法人映像情報メディア学会から第52回・2024年度の技術振興賞 進歩開発賞(現場運用部門)を受賞しました。この受賞は、映像情報メディアに関するものとしては特に価値のある評価です。
LMSの特長とは?
LMSは、これまでにない放送クオリティを実現するため、一般的なインターネット回線を使用しながらも、超低遅延での映像伝送を可能にした革新的なソフトウェアです。これにより、特にリモートプロダクションやスマートフォンを利用した中継作業においても、プロフェッショナルの現場での利用が広がっています。
特に目を引くのは、特許技術「Multi Latency」を用いている点です。ポートの開放を意識せずに簡単に接続できるため、操作もスムーズで、遠隔地からでも違和感なく機器の操作が行える環境が整っています。また、ネットワークの混雑やトラブルによる映像信号の欠損なども自動で修復対応し、安定した映像品質を維持しています。
産業界への影響
このLMSは、映像制作業界にとどまらず、VTuber事業やイベント制作、メディアアート、さらには機器の遠隔制御等、さまざまな分野から注目を集めています。その汎用性は計り知れず、現場でのニーズに柔軟に応えることができるため、多くの企業が利用実績を重ねています。
特に、映像制作においては、現場での機材操作がスムーズに行えるため、制作時間の短縮やコスト削減にも寄与しています。様々な業種のプロフェッショナルたちが、LMSを利用することでその利便性を実感し、映像制作に革新をもたらしています。
今後の展望
今後、LMSはさらなるアップデートを計画しており、ますます多様な機能を追加することが期待されています。これからも映像制作の現場での進展が楽しみで、新たなユースケースの創出に目が離せません。公式サイトでは最新情報も随時更新されていますので、ぜひチェックしてみてください。
受賞歴には名高い賞がズラリ
実績として、2024年度には日本民間放送連盟賞 技術部門の最優秀も受賞しており、その技術力と効果は専門家からも高く評価されています。また、第1回テクニカルディレクションアワードにおいてデジタルサービス部門での銀賞受賞などもあり、多くの注目を集めています。このような受賞歴が、LMSの技術力の高さを証明しています。
映像伝送に関する新たなスタンダードを作り出す「Live Multi Studio」。今後のアップデートに目が離せません。