退職代行の非弁行為リスクを知る:若者の心の負担とは
株式会社Wandering Seagullが実施した調査によると、退職代行サービスを利用したり検討したりしている20代の社会人のうち、約3割が「業務の引き継ぎや人間関係が悪化する」といった不安を抱えていることが分かりました。加えて、退職代行サービスの非弁行為に対する理解不足も指摘されています。
調査の背景と目的
最近では、退職代行サービスが広まりつつあります。主に【心理的負担の軽減】や【退職手続きのスムーズな実行】を求める声が高まっている中、大手企業が関与する非弁行為に関するトラブルが取り沙汰されています。この現状を受け、退職代行サービス『だいじょうぶ』を運営するWandering Seagull社は、利用者の意識と実態を把握するために調査を行いました。
調査概要
- - 調査対象: 退職代行の利用または検討経験がある20代社会人男女
- - 調査方法: インターネット調査 PRIZMAを利用
- - 調査人数: 1,034人
- - 調査期間: 2025年11月28日~2025年12月3日
利用理由と心理的負担
結果によると、退職代行サービスを利用した理由としては、「会社へ直接退職意思を伝えることが辛い」と感じる人が最も多く(55.5%)、また「即日退職の希望を自分から伝えるのが難しい」といった声も多く聞かれました。しかし、利便性が高い一方で、利用者は「違法リスク」が存在することに不安を持っていることも分かっています。サービスを選ぶ際のポイントとしては、料金や成功率、弁護士の監修の有無が多くの人に重要視されています。
トラブルと非弁行為の理解不足
実際に退職代行サービスを利用した人からは、退職意思の伝達に関するサポートが期待される一方で、有給休暇取得に関する拒否後の調整など、民間業者が触れてはいけない可能性がある業務を求められるケースも少なくありません。約1割の利用者が非弁行為に該当するサポートを受けたと答えており、このあたりの法的なリスクに対する理解が重要です。
今後の展望と求められる透明性
約8割の方が非弁行為についての理解があると回答していますが、完全な理解には至っていない人も多く、情報提供の必要性が浮き彫りになりました。最も必要とされるのは、法的なリスクを避けるため、何が許されているのかを明確に示すことです。また、世間のイメージ改善、すなわち退職代行サービスを利用することが特別なことではない、という認識を広める努力も求められます。
総じて、退職代行サービスは若者にとって心の負担を軽減する手段である一方で、利用者が法的リスクをしっかり理解し、適切にサービスを選ぶための環境を整えることが重要です。信頼できるサービスの提供が、より多くの人々に受け入れられるための鍵となるでしょう。