デクセリアルズが挑む生成AI活用と新規用途開発
デクセリアルズ株式会社(以下、デクセリアルズ)は、栃木県下野市に本社を構える企業で、2012年に事業をスタートして以来、エレクトロニクス機器や自動車向けの機能性材料の開発・製造・販売を行っています。企業理念である「Integrity 誠心誠意・真摯であれ」を掲げ、常に新しい挑戦を続けてきました。
最近、同社は生成AIを駆使して新たな製品開発をさらに加速させるためのシステム構築に乗り出しました。この取り組みは、幅広い用途アイデアを迅速かつ高精度に創出することを目的としています。
生成AI導入の背景
デクセリアルズでは、製品開発において市場のニーズと自社の保有技術(シーズ)をマッチさせることが重要視されています。しかし、複雑な情報を理解し、新たなアイデアを生み出すことは、従来の方法では属人性が強く、時間や労力が多くかかるという課題がありました。
この課題に対処するため、2024年からストックマーク株式会社の生成AI技術の導入が決定され、アイデア創出を支援するツールの構築が始まりました。ストックマーク社の技術を活用することで、デクセリアルズ固有の言葉や市場の動向を分析し、最適な新規用途提案を実現することを目指しています。
新システムの特長
1. ナレッジグラフの構築
新システムの一環として、AIがデクセリアルズの独自表現や社内外の情報を理解できるようにナレッジグラフを構築します。これにより、膨大なデータから新規用途を高速・高精度で探索できるようになります。
2. 情報抽出と構造化
デクセリアルズが保有する独自調査レポートは、図表や画像を含む複雑なレイアウトが特長ですが、これらを検索可能なデータとして変換する技術も導入します。このプロセスにより、視覚情報を活用して漏れなく市場のニーズを把握し、更なる機会の発見が期待されています。
3. シーズとニーズのマッチング
本システムでは、シーズ(自社技術)を基にした新規用途探索と、ニーズを基にした技術提案の両方が行えるようになります。これにより、従来の用途拡張を超えて市場に適応した新たな提案が可能になります。
未来への展望
デクセリアルズは、生成AIなどの先端技術を駆使して、持続可能な社会の実現に貢献する高付加価値製品や技術、ソリューションを提供していく意向です。この取り組みによって企業価値をさらに高め、持続的成長を遂げることを目指しています。
今後のデクセリアルズの新たな挑戦に目が離せません。次世代の技術と社会課題に応える製品がどのように生まれていくのか、期待が膨らみます。