フレイル予防への新たな取り組み
愛知県豊田市において、エーザイ株式会社と株式会社ロッテが共同で実施したフレイル予防プロジェクトの実証事業が無事に完了しました。これにより、高齢者が健康を保ちながら、要介護状態を防ぐための新たなサービスの実現が期待されています。
フレイルとは?
フレイルは、加齢による心身機能の低下を示す言葉で、健康から介護が必要な状態への橋渡し的な存在です。フレイルを放置すると、要介護になるリスクが高まることから、社会問題として捉えられています。この実証事業もフレイルの早期発見と介入の重要性を強調しており、健康と介護の境界に位置するフレイルをいかに予防するかが焦点となります。
あいちデジタルヘルスプロジェクト
本プロジェクトは、愛知県が推進する「あいちデジタルヘルスプロジェクト」の一環で、超高齢社会の課題を克服するために新たなサービス創出を目指しています。エーザイのフレイルリスク予測サービスとロッテの予防介入用プログラムを組み合わせたこの試みは、ただの健康診断の枠を超えたデジタル技術の活用が特徴です。
プログラムの内容
約3か月間にわたったこのプログラムでは、口腔体操を中心に、高齢者の口腔機能を維持・改善することが目的でした。エーザイは、豊田市の健診データをもとにフレイルのハイリスク者を特定し、適切な介入を行いました。その結果、32名の脆弱が進行している高齢者が確認されました。
成果の結果
ロッテによるガムを使った咀嚼(そしゃく)エクササイズでは、エクササイズ参加者のオーラルフレイルの減少が見られました。具体的には、オーラルフレイルが16%から3%に減少し、健常者の割合は37%から47%に増加。また、フレイルの割合も19%から12%に減少し、健常者が36%から44%に増えるという顕著な改善が見受けられました。
今後の展望
実証事業を通じて得た知見は、今後の豊田市の健康増進事業に活かされる予定です。豊田市の未来都市推進課の清水課長は、「デジタル技術を活用した介護予防サービスがフレイル予防に有効であることが示された」とコメント。これにより、地域住民の健康と生活の質を向上させる新たな施策の展開が期待されます。
まとめ
エーザイとロッテが協力した今回のプロジェクトは、フレイル予防に向けた新たな一歩となりました。今後もこの取り組みが進展することで、高齢化社会における課題解決に寄与することが期待されます。