ユルリ島の馬たちの歴史を写し出す、岡田敦の写真展
2026年2月20日から3月5日まで、東京の富士フイルムフォトサロンにて岡田敦の写真展『ユルリ島の馬 ~The Horses of Yururi Island~』が開催されます。入館無料のこの展示では、岡田氏が無人島「ユルリ島」で撮影した約25点の写真と映像作品が展示され、かつて馬たちと人がともに暮らした時代の物語をお伝えします。
ユルリ島とは?
ユルリ島は、日本の本土最東端、根室半島の沖合に浮かぶ周囲8キロメートルの無人島です。この島は馬だけが生息する特異な場所であり、長い間、馬たちの生活を守ってきました。岡田氏は、15年前にユルリ島に興味を持ち、2011年から撮影活動を始めました。
岡田敦氏の歩み
岡田氏は『ユルリ島の馬』というプロジェクトを通じて、馬たちと人間の関係を記録し、歴史を後世に伝えることを目指しています。この取り組みで、岡田氏は数々の賞を受賞しており、特に北海道文化奨励賞や東川賞特別作家賞など、彼の作品がいかに評価されているかを示しています。
実際、ユルリ島の歴史は興味深いものです。1950年、根室半島の住民は干場を求めてユルリ島に馬と共に渡りましたが、1960年代からは環境の変化により島民が本土へ戻り、馬たちだけが残されました。彼らは自然交配を繰り返し、最盛期には30頭ほどの馬が島に住んでいました。ですが、2006年には高齢化などの理由から、雄馬が引き上げられ、島に残されたのは雌馬だけとなり、時の流れと共にその姿を徐々に消していく運命にありました。
展示内容について
本展では、カラー・モノクロの作品を含む約25点のプリントを展示し、さらに映像作品も用意されています。岡田氏が捉えた馬たちの姿は、訪れる人々に島の歴史や文化を新たに考察させるきっかけを提供するでしょう。特に、今回の展示は岡田氏にとって初の本格的な個展として、多くの注目を集めています。
ギャラリートーク
展覧会期間中には、特別イベントとしてギャラリートークも行います。岡田氏が招待されたゲストと共に、作品に込めた想や撮影の裏話を話す機会があります。2月22日には雑誌『写真』編集長の村上仁一氏を、3月1日には青幻舎広報室長の新庄清二氏をゲストに迎え、それぞれ午後2時から30〜40分のトークが展開されます。参加は無料で、予約は不要です。
直前の訪問を!
本展に足を運ぶ際は、入館は終了10分前まで可能ですので、事前に訪問時間を考慮しておくと良いでしょう。展示作品は、高品質な富士フイルム製「銀写真プリント」を使用し、迫力のあるビジュアルを体感できます。最終展示日は3月5日で、ギャラリーは月〜金、10:00~19:00まで開館しています。ぜひ足を運び、ユルリ島の馬たちの物語を感じてみてください。情報確認は公式サイトにて行えます。