日本初の国産AIクラウドCAD誕生
エミウム株式会社は、日本の歯科業務を支援する最新の技術「エミウム クラウドCAD」のクローズドβテスト版を2025年11月から提供することを発表しました。このサービスは、日本人の口腔スキャンデータと歯牙形態データをAIが学習し、日本人の特性に調和した自然なクラウン形状を自動で設計することを目的としています。特に注目すべきは、このようなAIによる自動設計機能が日本企業として初めて完全自社開発された点です。この革新的なサービスは、歯科医療の効率化とデジタル化を推進する新たな道を開くでしょう。
開発の背景
エミウムは東京科学大学認定ベンチャーとして、歯科医療や歯科技工のデジタル化(DX)を進めるために多くの研究開発を行ってきました。例えば、歯のセグメンテーション技術チームと共同で、歯の自動抽出やデジタルデンチャーの設計・製作を支援する技術を開発しました。これらの研究成果を基に、日本人のために特化したAIクラウドCADの開発に突き進んでいます。
日本人特有のニーズに応える
世界の他地域では、主に欧米人のデータを使用したAI搭載CADが開発されてきましたが、日本人の歯の形態や咬合特性に適応する設計には問題が多くありました。エミウムでは、約6,000件にも及ぶ日本の歯科データをAIに学習させ、日本人特有の審美感や機能性を考慮した設計を実現します。また、高いセキュリティ環境を構築し、国が定めた情報セキュリティガイドラインにも従っています。
時間短縮を実現
「エミウム クラウドCAD」を利用することで、たとえば単冠設計の時間が従来の10分から約2分に短縮されます。この80%以上の時間短縮は、歯科医師や技工士にとって大きなメリットです。コストや人的リソースの節約にもつながり、効率的な業務運営を支援することができます。
持続可能な歯科技工の実現
今日、歯科技工は多くの課題に直面しています。特に人手不足や業務の逼迫は深刻で、デジタル化や経営の効率化、後継者育成が急務です。エミウムは、AIクラウドCADとその周辺技術を駆使して、持続可能な歯科技工の実現に向けた技術開発を進めています。
クローズドβテストの参加者募集
エミウムはクローズドβテストに参加する企業を募集しています。このテストでは、実際の業務環境で利用し、開発段階では見えなかった課題を発見し、サービスの精度向上に役立てます。参加には事前の申し込みが必要で、一定数を超えた場合は抽選で限定されることがあります。詳細はエミウムの公式ウェブサイトをご覧ください。
会社概要
エミウムは、歯科医療・歯科技工の新たな原動力を生み出すことを目指しています。デンタルテックスタートアップとして、デジタルソリューションの開発やプラットフォーム提供を行い、業界の効率化に貢献しています。今後も疾患と工学の接点で革新を続け、より良い歯科医療の提供を目指します。詳細は公式サイトにて確認できます。