サイバートラストが大阪製鐵のミルシートデジタル化を支援
近年、デジタル化が進む中で、サイバートラスト株式会社は、大阪製鐵株式会社のミルシート(鋼材検査証明書)のデジタル化において重要な役割を果たしています。特に、サイバートラストが提供する「iTrust eシール用証明書」が採用され、この取り組みは鋼材業界に新たな信頼性をもたらします。これにより、ミルシートの偽造やなりすまし製品の流通を効果的に抑止することが期待されています。
ミルシートの重要性とデジタル化の必要性
ミルシートは、製造された鋼材が設計基準や規格に合致していることを証明する重要な文書です。通常、鉄鋼メーカーが発行し、サプライチェーンを通じて建材商社や建設会社に流通、最終的にゼネコンによる検査で用いられます。しかし、従来の紙での管理は業務効率を下げ、コスト負担の増加を招く要因となっていました。このような課題から、鋼材業界においてもデジタル化のニーズが高まっていたのです。
しかしながら、ミルシートが紙で発行されている場合、記載内容が改ざんされるリスクが依然存在します。したがって、デジタル化したミルシートの発行元や内容の正当性を確保するための手段が求められていました。
デジタル化プロセスの実現
大阪製鐵では、毎月数千枚以上のミルシートを紙で発行していましたが、このたび、サイバートラストの「iTrust eシール用証明書」を導入したことでデジタル化が実現しました。このシステムでは、「iTrust リモート署名サービス」とのAPI連携により、PDF形式で生成されるミルシートにeシールを付与できる仕組みを整えています。これにより、発行元の証明と真正性の確保が可能になりました。
eシールを活用することで、ミルシートの偽造やなりすまし製品の流通抑止が期待されています。特に、サイバートラストのiTrust eシール用証明書は、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)のトラステッド・サービス登録を受けており、厳格に審査された組織のみが利用可能です。
業務効率化と環境への配慮
ミルシートのデジタル化は、業務の効率化にも大きく寄与します。紙の場合、取引企業間での印刷や郵送など多くの業務が発生していましたが、デジタル化することでこれらを大幅に削減することができます。また、電子開示によって素早く情報を共有できるようになり、管理スペースの削減や、ペーパーレス化によるCO2削減といった環境貢献にもつながります。
さらに、サイバートラストはこれまでの電子認証サービスの運用実績や、電子文書の長期保存技術を活かして、信頼できるデジタルトラストの基盤を構築しています。この取り組みは、デジタル社会の発展に必要な要素であり、安心・安全な環境を実現するための重要なステップと言えるでしょう。
まとめ
サイバートラストの「iTrust eシール用証明書」の導入により、大阪製鐵のミルシートのデジタル化が進んでいます。この取り組みは、偽造防止や業務効率化だけでなく、環境への配慮も同時に実現するものです。今後、さらなるデジタル化が進む具体例として、他業界への波及効果も期待されます。私たちの周りの業界がどのように進化していくのか、今後の展望に注目です。