C&Wリテール市況レポート
2025-11-11 15:18:29

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが発表した2025年第3四半期のリテール市況レポート

2025年第3四半期のリテール市況レポート



グローバル不動産サービスを提供するクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)が、2025年第3四半期のリテール市況についての最新レポートを発表しました。これにより、国内の消費動向や賃料の変動など、さまざまな指標から現状の市場環境を読み解くことができます。今回はその詳細をお伝えします。

経済の概要



2025年第3四半期の実質GDPについては、米国の輸出関税の影響が反映され、予測では前期比年率で3.9%のマイナス成長が見込まれています。しかしながら、国内の消費マインドは徐々に改善の兆しを見せています。2025年9月のコアCPIは前年同月比で2.9%上昇し、特に高額品の売上は回復傾向があることが指摘されています。これには、賃上げの影響やインフレの緩和も寄与しています。

また、消費者態度指数も改善傾向にあり、物価上昇を懸念する声が聞かれる中でも、消費意欲は高まっているようです。具体的には、生活必需品を扱うドラッグストアの売上が4.7%の増加を記録するなど、業界によって明暗が分かれています。対照的に、百貨店は1.4%の減少を見ており、高額品のカテゴリーでは物価の動向が影響しているようです。

賃料動向



リテール市況において、賃料の動きも注目されています。第3四半期には、主要プライムエリアにおいて賃料が上昇し、渋谷では20%、心斎橋・御堂筋では14.3%、表参道・青山・原宿で12.5%、銀座が10%の上昇を見せました。この傾向は、特に高級ブランドやアスレジャー系の事業者が市場に与える影響が続いていることを示しています。

一方で、需要が減少している大手海外ラグジュアリーブランドの動きは逆風となっています。特に、建築費の高騰(2025年までに34%上昇)などが影響し、既存店舗の賃料を上回る条件での契約が交渉されています。これにより、賃料の上昇が続く予想が立てられています。

今後の展望



現時点でのドル円相場は、2025年第3四半期に比べて約4%の円安となっています。しかし、アメリカや欧州の中央銀行の利下げ方針により、今後は円高に移行することが予想され、免税の売上高の増加は厳しい状況が続くでしょう。とは言え、株式市場の好調による資産価値の上昇が消費マインドを支えており、期待が寄せられています。

プライムエリアの路面店に関しては、新規出店の余地が限られているため、高い賃料での成約が続く見込みです。名古屋の栄など各地での再開発プロジェクトも期待されており、今後の市場拡大が注目されます。

まとめ



クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの2025年第3四半期のリテール市況レポートは、厳しい経済環境の中でも消費マインドが改善しつつあることを示しています。賃料の上昇も続く見込みで、今後の市場動向に関心が寄せられています。この中で、プライムエリアの出店戦略や事業展開においては、特に慎重な判断が求められることでしょう。

詳細なレポートについては、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの公式サイトからダウンロードが可能です。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。