スーパーコンピュータ『富岳』の快挙!
理化学研究所や東京科学大学、フィックスターズ、日本電信電話、そして富士通などが参加する共同研究グループが、スーパーコンピュータ『富岳』を活用して、国際的な性能ランキングであるGraph500において、幅優先探索(BFS)部門で世界第1位を達成しました。この成果は、同グループによる開発が実を結び、富岳が持つ優れた計算能力が改めて証明された瞬間です。このランキングは、現在ドイツで行われているHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)に関する国際会議「ISC High Performance 2025」に併せて発表されました。
204 TeraTEPSの驚異的スコア
『富岳』による測定では、全体の95.7%にあたる152,064ノードを使用し、約8.8兆の頂点と140.7兆の枝から成る超大規模グラフの幅優先探索問題を平均して0.69秒で解決することに成功しました。そのスコアは、204.068 TeraTEPS(テラテップス)に達し、実に11期連続での1位獲得となりました。省メモリ化技術の導入が特に効率的な処理を可能にし、これにより今までにない規模のグラフ処理を実現したことが、記録更新の大きな要因とされています。
データ解析の重要性
大規模なデータ処理が求められた昨今、スコアの向上は単に技術的な成果に留まらず、ビッグデータ解析における重要な指標でもあります。実社会の複雑な現象が、大規模なグラフとして表されることが多く、スーパーコンピュータによる高速な解析はそのニーズに対する解であり、様々な産業の革新に寄与しています。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やIoT技術を駆使したこのような計算能力は、Society 5.0の実現へ向けた大きな一歩と評価されています。
これからの展望
共同研究グループは、引き続き『富岳』を用いたグラフ処理技術の開発を進める予定です。新たな技術が未来のビジネスチャンスを切り開き、データの効率的な活用と持続可能な開発目標(SDGs)への貢献が期待されています。なかでも、これらの大規模グラフ解析が次世代の科学技術における基盤を築くプロセスであり、さらなる性能の向上を目指して研究は続いていくでしょう。
この成功は、世界中での技術革新の最前線を走る日本の代表的なスーパーコンピュータの実力を証明するものです。『富岳』のパフォーマンスは、今後も多くの研究や産業にとって重要な役割を果たすことでしょう。私たちの未来に向けた挑戦は、これからも続きます。今後の進展にぜひご期待ください。
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