希少疾病に対する新たな治療選択肢、Brexucabtagene autoleucelの登場
今年1月16日、ギリアド・サイエンシズ株式会社はその製品であるBrexucabtagene autoleucelが厚生労働省により、マントル細胞リンパ腫(MCL)およびB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)に対する希少疾病用再生医療等製品に指定されたことを発表しました。希少疾病用再生医療等製品とは、日本国内において患者数が5万人未満の疾患において、特に治療の必要性が高いと認められたもので、厚生労働大臣の指定を受けるものです。
マントル細胞リンパ腫(MCL)とは
MCLは悪性リンパ腫の一種であり、リンパ節のマントル帯に由来するB細胞性腫瘍です。日本国内では悪性リンパ腫全体の約3%を占め、患者数は2023年の調査によれば約2,000人とされています。MCLは再発しやすく、最終的には命に関わる重篤な疾患であり、その全生存期間は5〜7年程度とされています。さらに、現在のところ標準治療法が確立されておらず、治療を受けた数が増えるにつれて予後が悪化するため、新たな治療法が求められています。
B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)
同様に、B-ALLは血液や骨髄、その他の臓器に存在する未成熟リンパ球がクローン増殖することにより発症する疾患です。日本国内では2023年の調査で約9,000人の患者がいるとされています。B-ALL患者の約5~10%は一次治療に抵抗性を示し、再発率は30~60%にのぼります。特に成人患者は治療ラインが増えるとともに予後が悪化し、既存の治療法では十分な効果を得られないことが多いため、新しい治療法の導入が重要です。
Brexucabtagene autoleucelの革新性
Brexucabtagene autoleucelは、CD19抗原を狙った新しいCAR T細胞製品です。これはアメリカのKite Pharmaによって行われたZUMA-2試験の結果を基にしており、再発や難治性のMCLに対する初のCAR T細胞療法として2020年にアメリカやヨーロッパで承認されたものです。現在、40ヵ国以上で適用が認められています。
B-ALLにおいても、Kiteが実施したZUMA-3試験の結果を受け、2021年にアメリカ、2022年にはヨーロッパで承認され、39ヵ国以上で使用されています。
ギリアド・サイエンシズとKite Pharma
ギリアド・サイエンシズは、医療の革新を追求するバイオ医薬品企業であり、HIV、がん、COVID-19などの治療薬の開発を進めています。さらに、Kiteはがん治療に特化した細胞療法のリーダーとして、患者に高品質なCAR-T細胞療法を提供しています。
ギリアドは、がん治療の新たな可能性を生み出し、より多くの患者に希望を与えることを目指しています。詳細は公式ウェブサイトをチェックしてみてください。
ギリアド・サイエンシズのウェブサイト
まとめ
Brexucabtagene autoleucelの承認は、MCLやB-ALL患者にとって新たな治療選択肢を提供するものであり、今後の治療に大きな期待が寄せられています。希少疾病においても新しい治療法が進展していることは、医療分野における希望となります。患者にとっての最適な治療法選択が今後一層広がることを願っています。