企業広報の実態
2026-03-16 13:55:00

企業広報の新たな実態と経営課題を探る日本広報学会の調査結果

企業広報の新たな実態と経営課題を探る



日本広報学会が創設30周年を記念し、上場企業20社の経営者に対するインタビュー調査を実施し、その結果を公表しました。この調査では、広報が「経営機能」として多くの経営者に認識されている一方で、企業の日常実務では広報に対して期待される役割と実際の運用との間にいくつかのギャップが存在することが明らかになりました。

調査の背景と目的



本研究は、企業経営における広報の位置づけを検討することを目的としており、日本広報学会が発表した広報の定義を基に行われています。具体的には、「組織や個人が目的達成や課題解決のため、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションを通じて社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能」という観点から、広報がどのように理解・運用されているのかを探求しています。

2024年には207人の上場企業経営者を対象にしたアンケート調査も計画され、95.2%が広報を経営機能として支持していることが確認されました。しかし、期待される広報の役割と実務との間には約30ポイントの差が見られることが分かっています。これまでは知覚される役割と実務のギャップがどのようなものであるのかを探るために、20社の経営者を対象に具体的なインタビューを行ったのです。

四つのギャップ



インタビューの分析を通じて、経営者の広報に対する期待と現実の間には次の4つの領域に分類されたギャップが存在することが明らかになりました。

1. 戦略面のギャップ



広報が経営戦略の策定に関与することが十分ではなく、その役割が限定的であるという認識が多く見られました。広報を戦略的な思考の重要な部分として捉える企業が少ないことが指摘されています。

2. 組織面のギャップ



広報部門の役割や権限が明確に整理されていない企業もあり、役割分担が不十分であることが影響しています。これにより、経営者と広報担当者の間にコミュニケーションの劣化が生じることが懸念されています。

3. 活動面のギャップ



メディア露出中心の広報活動に対する認識も問題視されています。多くの経営者が広報の主要な活動をメディア露出に結びつけて捉えており、実際には期待している活動との間にズレが生じています。

4. 評価面のギャップ



広報活動の成果を評価する基準についても、経営者と広報担当者の間に認識の差があります。成果を数値化し、それを基にした評価が行われる重要性が増す中で、両者のギャップが業務効率に影響を与える可能性があります。

まとめ



この調査結果は、広報の役割が単なる情報発信に留まらず、経営の重要な要素としても捉えられつつあることを示しています。広報と企業経営の関係性を見直す必要性が示唆されており、目撃される葛藤を解消するためには、広報の位置づけを適切に評価し、戦略的な関与を促進することが重要です。広報が企業経営にどのように統合されるかが、今後の大きなテーマとなります。

このテーマに関する詳細な議論は、2026年3月17日に開催される公表シンポジウムで行われる予定です。広報の役割を新しい視点から再考するきっかけとして、皆様もぜひ関心を持っていただきたいと思います。


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