環境省が推進する「デコ活」へ再参加
再生可能エネルギーの普及と電力需給のバランスを取る新たな取り組みが動き出しています。株式会社Looopは、環境省が推進する「デコ活」の一環として、令和7年度「昼の再エネ余剰電力需要創出モデル実証」を受託しました。Looopは昨年度に続き、2年連続での受託となります。これは、カーボンニュートラルを目指す中で再生可能エネルギーを積極的に活用し、持続可能な社会づくりに貢献する重要な試みです。
受託の背景と必要性
再生可能エネルギーの普及には、特に晴れた昼間の時間帯に多くの電力が供給される現状が課題として指摘されています。この時間帯に発電が需要を上回ることで、発電を一時的に中止する「出力制御」が増加し、再エネの利用が妨げられています。その解決策として、需要を発電量に応じて調整する「ディマンド・リスポンス(Demand Response:DR)」の導入が注目されています。
Looopの「スマートタイムONE」は、市場価格に基づいて30分ごとに電力料金が変動します。この仕組みにより、電気料金が安くなる昼間に電力を多く使用することで、経済的なメリットを享受しながら再エネを有効活用できるのです。このコスト削減は、再生可能エネルギーの誘発にもつながり、持続可能なエネルギー社会の基盤を築くための重要なステップとされています。
実証内容の詳細
実証①:アプリを活用した行動変容型DR
Looopでんきのユーザーを対象に、アプリを利用してユーザー特性に応じたDR行動を提案し、インセンティブを与えることによって、「上げDR」のパフォーマンスを検証します。この試みは2025年の秋に実施され、電気代削減の実態とDR行動の仕組みを明らかにすることを目的としています。
実証②:EVとエコキュートの自動制御
また、電気自動車(EV)とヒートポンプ式給湯器(エコキュート)を対象とした自動制御実証も行われます。市場連動型の料金プランに基づいたEVの充電とエコキュートの運用が行われ、これも国内初の試みです。この実証では、具体的にどの程度のコスト削減ができるかを検証します。
目指す未来の姿
環境省のデコ活応援隊の清水延彦隊長は、昼間の電力需要の創出が重要な方策であり、この実証を通じて国民に昼の電力利用を促すことで、エネルギーの効率的活用を提唱しています。Looopの中村創一郎社長も、再生可能エネルギーの普及は発電所の増設だけでなく、蓄電やDRの取り組みがカギを握ると語り、持続可能な社会の構築に向けた意気込みを示しています。
まとめ
「スマートタイムONE」の導入により、Looopはただの電力供給者にとどまらず、持続可能な社会の実現に向けた新しい価値を提供する企業として期待されています。このような取り組みを通じて、日々の生活の中で環境に配慮したエネルギー利用が進むことを願っています。
株式会社Looopは、再生可能エネルギーの可能性を広げ、社会全体のエネルギー意識を高める役割を果たしていくでしょう。