令和の法律実務とリーガルテックの重要性
2026年3月17日に東京弁護士会の会派「春秋会」が主催した「Mints時代のリーガルテック研修会」では、株式会社Legalscapeの取締役COOである津金澤佳亨氏が講演しました。この研修会は、弁護士業界における業務のデジタル化を進めるため、法務特化AIの活用方法を参加者に伝える場として設けられました。
背景と目的
日本の法律業務は、今まさに変革の時を迎えています。特に2026年5月21日から施行される改正民事訴訟法(フェーズ3)は、弁護士にとって新たな挑戦となるでしょう。デジタル化が進む中、裁判所システム「mints」やITツールを使った業務の効率化が必須となり、扱う情報量も飛躍的に増加することが予想されます。
そのような背景から、春秋会では、法律業務のデジタル化とともに、この分野の最新動向についても学ぶ機会を提供しました。講演には、弁護士業務デジタル化推進協会(LPDX)の協力も得て、具体的な戦略を議論することを目的としています。
講演内容のハイライト
津金澤氏の講演では、生成AIが進化する中での法的実務への影響と、それに対応するための法務特化型AIの必要性について説明がありました。以下にその内容を概説します。
- - 法務特化AIの必要性: 聴講者にとって膾炙(かいしゃ)名義の法律の引用を含む情報の正確性が不可欠であることを強調しました。AIが生成する要約には根拠がない場合が多く、それによって法律実務における適用が難しい点について論じました。
- - リーガルリサーチAIの紹介: 独自に設計された司法試験満点水準のAIを利用し、質問を入力することでその要約と根拠文献を同時に取得することができる仕組みを実演しました。
- - 信頼できるコンテンツ基盤の紹介: 法令や判例、書籍など豊富なデータベースとの連携についても触れ、43社との提携に基づく信頼性の高い情報基盤の重要性を強調しました。
- - AIに奪われない法務の価値: 法律業務のバリューチェーンにおいて、専門家の判断や法情報の原典の重要性を述べ、AIの活用で得られる利点と肝要な人の判断が必要不可欠であるとしました。
- - AI活用法の実務的観点: 法的論点を見極めるには法務特化AIを使用し、一般的な雑務には汎用AIを上手に使い分けることの重要性について指摘しました。
津金澤氏の見解
津金澤氏は、「生成AIの進化は法律実務における新たな機会と同時に挑戦をもたらしている。信頼できる法情報基盤と、弁護士による責任ある判断の重要性が今後さらに強まるだろう」とコメントしました。彼は、今後もリーガルスケープが法律実務家の知的生産を支えるプラットフォームとして活躍すると、自信を持って語りました。
登壇者プロフィール
津金澤 佳亨氏は東京大学大学院を修了後、経営コンサルティングに従事し、2019年にLegalscapeに参加。法務特化AIやリーガルリサーチを主導し、弁護士業務のデジタル化に取り組んでいます。
まとめ
この研修会は、弁護士業界におけるデジタル化の進展を考える重要な機会となりました。生成AIや法務特化AIの活用について具体的な事例が共有され、未来の法律業務について新たな洞察を得ることができた素晴らしい機会でした。