商船三井が新たなCTV契約を締結
株式会社商船三井の100%子会社SeaLoading Holding AS(以下「SeaLoading社」)は、Shell Brasil Petróleo Ltda.(以下「Shell」)及びTotalEnergies EP Brasil Ltda.(以下「TotalEnergies」)との間で、カーゴ・トランスファー・ベッセル(CTV)に関する三者間契約を締結したことを発表しました。この契約により、SeaLoading社が保有するCTV船「SeaLoader 1」は、Shellの貨物輸送にも利用されることになります。
CTV技術の導入背景
CTVは、従来のシャトルタンカーによる原油の輸送に比べて、効率性が大幅に向上しています。通常の原油タンカーは波や風の影響を受けやすいため、原油の受け取りが難しいですが、CTVであればFPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)からタンカーへ直接、原油を積み込むことが可能です。この接続により、原油物流がスムーズに行えるだけでなく、CO2排出量の削減にも寄与します。
契約の意義
本契約の締結により、これまでTotalEnergiesのみが優先的に使用していたCTV船「SeaLoader 1」がShell社でも利用されることとなり、特にブラジルにおける原油の輸送効率を向上させることが期待されています。SeaLoading社が行ったこの取り組みは、CTV技術の普及において大きなマイルストーンと言えるでしょう。
CTVの現状
現在、ブラジルには2隻のCTV船が操業中で、これまでの荷役実績は累計130回を超えています。商船三井グループは、今後も石油メジャーとの協業を強化し、CTV技術の普及を進める意向を示しています。これにより、環境負荷を低減し、サプライチェーン全体の効率化を図る方針です。
未来の展望
商船三井は、CTV技術の特許を保有し、さらに2隻のCTV船を運航していることから、今後の原油の生産から積み出しに至るまでの全てのプロセスで環境に配慮した運営が進むと期待されています。これにより、持続可能なエネルギー供給が現実のものとなるでしょう。
この契約の詳細については、商船三井の公式発表やプレスリリースもご確認ください。