幕が上がる、その前に:劇場セミナーVol.03開催レポート
2026年7月30日、東京都港区のP.O.南青山ホールにて、劇場セミナーシリーズ『幕が上がる、その前に』の第3回が開催されました。本シリーズは、舞台の内側から「劇場とは何か」を掘り下げることを目的としたセミナーで、今回のゲストには洋舞家で振付家の名倉加代子氏が登場しました。ホスト役には、フリーアナウンサーの中井美穂氏と演出・脚本家の戸部和久氏が務めました。
このセミナーでは、名倉氏が自身の豊富な経験に基づき、舞台芸術と劇場の関係について90分にわたって語りました。彼女が青山劇場での創作現場について語る姿には、多くの観客が引き込まれ、老若男女が集いました。セミナー終了後には、名倉氏が「とても楽しいひとときを過ごした」とコメントし、中井氏も「生涯をかけてこの道を選んだ方の存在は素晴らしい」と感想を述べました。
名倉氏は振付について「振付は言葉として存在する」と語り、作品作りにおける演出家との信頼関係の重要性を強調しました。また、名倉氏は自身のダンサー人生を振り返り、「ジャズのフィーリングを持っている」と認められたニューヨークでの経験を通じて、創造活動への影響を分析しました。
作品づくりにおいて、名倉氏は「演出家が求めるイメージを自分の技術でサポートする一方、自身が演出を担当する際には妥協を許さず責任を持つ必要がある」と明言しました。この姿勢は、舞台芸術がいかに多くの専門家の協力によって築かれているかを映し出しており、特に長年の付き合いのある舞台照明家・勝柴氏とのエピソードを通じてその重要性が明かされました。
特に青山劇場については、「当時は最先端の舞台機構があったため、その機構に負けない表現を生み出さなければならない」というエピソードを紹介し、場の特性を活かした創造性の追求が語られました。名倉氏の言葉から、理想の劇場とは「行きたくなる場所」であり、観客が「2枚チケットを買いたくなるような」作品の提供を目指していることが感じられました。
このセミナーを通じて、名倉氏の劇場に対する深い愛情や、舞台が持つ人と人の感情を繋ぐ力を改めて感じられる時間となりました。次回のVol.04では、舞台美術と照明を専門とするゲストを迎え、さらに深い視点から劇場の可能性を探ります。
開催概要
- - 日時: 2026年9月24日(木)18:30開場/19:00開始
- - 場所: P.O.南青山ホール
- - ゲスト: 舞台美術家・松井るみ氏、舞台照明家・勝柴次朗氏
- - チケット情報: Eventhub | イープラス
詳しい情報は、
シアターワークショップ公式HPをご覧ください。