近年、音声コンテンツの需要が世界中で増加しています。この流れを受けて、日本の出版物にも新たな動きがあります。それは、日本出版販売株式会社(以下、日販)と株式会社オトバンクが協力し、児童書の音声コンテンツを制作することです。このプロジェクトは、子どもたちに新しい読書体験を提供することを目指しています。初回リリースとして、2025年1月16日からオトバンクが運営するオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」にて、「ようかいとりものちょう」のオーディオブック版が配信されます。
今回の取り組みは、両社の共創理念「生涯読書」に基づいています。この理念は、あらゆる世代の人々に読書の楽しさを届けることを目的としています。特に、オーディオブックがもたらす多様な読書体験を通じて、読書を行う選択肢を広げていく考えです。2019年6月に制定された読書バリアフリー法により、さまざまなシーンでオーディオブックを楽しむ環境が整備されています。これにより、公共図書館でも2024年6月からオトバンクのオーディオブックが搭載される予定です。
しかし現状、児童書のオーディオブックはその数が少なく、その需要は未だ発展途上です。オトバンクが行った調査によると、6歳以下の子どもを持つ家庭でのオーディオブック利用が増加しています。「寝る前にオーディオブックで読み聞かせをすることで、子どもとの時間を大切にしています」といった声が寄せられ、この形式が家庭内で根付いてきていることが伺えます。
このプロジェクトにより、日販とオトバンクは親子で一緒にオーディオブックを楽しむシーンを増やし、子どもたちに新たな読書体験を提供することを目指しています。具体的には、同作には主人公の妖怪アクションが織り交ぜられた痛快な時代劇のストーリーが展開されており、子どもたちの興味を引きつける要素が詰まっています。「ようかいとりものちょう」シリーズは、4巻から8巻まで一斉に配信され、どんどんスリリングな展開を迎えていきます。
まず配信される内容は以下のとおりです。
- - 第1弾(1〜4巻):2025年1月16日(木)
- - 第2弾(5~8巻):2025年1月下旬予定
各巻の定価は1,078円(税込)で、オーディオブックの聴き放題サービスに登録すれば、定額で視聴も可能です。これは家庭における新たな読書のスタイルを提案し、音による読書体験を通じて子どもたちに「読む楽しさ」を伝える一助となるでしょう。
特に注目したいのは、オトバンクが行っている今後の展開についてです。小学校低学年向けの作品を中心に、新たな児童書コンテンツを制作する計画が進行中で、さらに図書館への供給も視野に入れています。これによって、より多くの子どもたちが音声コンテンツを楽しむ機会が増え、読書習慣が育まれることが期待されています。
この新しい取り組みは、お子さんの読書体験を豊かなものにし、音声でのストーリーテリングを通じて、子どもの想像力を育む素晴らしい機会になるでしょう。皆さまも新たな読書体験に参加し、耳で聞く物語の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。