新卒採用におけるAIと人事の意外な対決結果
新卒採用市場がAIによって変革されつつある中、リアルバーチャル株式会社による興味深い実証実験が行われました。その名も『AI vs 人事のプロ』。今回の実験では、エントリーシート選考と面接でAIと人事の回答がどれだけ異なるかというテーマが探求されました。
第1戦:書類選考
2026年卒業予定の学生を対象に行われた書類選考では、AIによるエントリーシート(ES)の生成を検証しました。ここでは、AIが生成した10通の偽物と、実際の大学生が興味を持って書いた10通の真物を用い、人事のプロとAIがそれぞれの評価を行いました。
選考の流れ
エントリーシートは以下の2つのタイプに分かれました。
1.
AIによる完璧な偽物(生成ES):論理的で内容的に優れた文章を持つが、感情が希薄なES。
2.
大学生が作成した本物(実際のES):個々の経験に基づく熱情があるが、論理的に欠けることもある。
審査はAI審査員と人事のプロによって行われ、どちらがより多くの本物のESを見分けられるかが競われました。
結果
- 本物:6通
- 偽物:4通
- 正解率:60%
- 本物:7通
- 偽物:3通
- 正解率:70%
この結果から、プロの人事が勝利した理由には、AIが評価できなかった「人間的な感情や熱量」を留意したことが挙げられます。
第2戦:面談選考
次に、面接の選考において、AIと人事のプロがどの候補者を選ぶかを再び検証しました。ここでは、実際のインターンシップの中で候補者たちと過ごし、その行動を評価するという形での勝負です。
選考の流れ
20名の候補者の中から、真に企業に入りたいと思っている志望者を見極めることが目的。AIはオンラインでの職業体験を通じて候補者を評価しました。
結果
- 本物:8人
- 偽物:2人
- 正解率:80%
- 本物:6人
- 偽物:4人
- 正解率:60%
この結果からAIが優勢となった理由は、「実際の行動」を基に評価したことが重要だとのことです。
総評
この一連の実験を通じて、AIと人事の強みと弱みが明らかになりました。AIは優れた分析能力を持ちますが、人間の感情や情熱を見抜くことは不得意です。逆に、人事は対話の中で曖昧さやバイアスに影響されやすいと示されました。
本実験の結果は、新卒採用におけるAI活用の可能性と限界を考える良い機会です。今後の採用戦略の再設計には、この実験の知見を活かし、AIと人間が補完し合える新たな採用方法が求められています。