労務管理と休日取得に関する実態調査の結果を解説
人手不足や働き方の多様化が進む現在、企業における労務管理の適切な実施が求められています。そして、従業員自身も自らの権利やルールについての理解を深める必要があります。そんな中、人気のYouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』を運営する税理士の菅原由一氏が、全国の正社員を対象に行った「職場ルール・労働基準法の実態調査」が注目を集めています。
調査概要
2026年8月に実施されたこの調査では、480名の20歳以上60歳未満の正社員に直接インターネットで尋ねました。この調査を通じて、職場ルールや労働基準法に関する認識と実態が明らかになり、菅原氏がそれに基づいて「知らないと損する!働き方と有給休暇のルール」について詳しく解説します。
調査結果のポイント
調査結果によると、驚くべきことに約7割の人が何らかの「職場ルール」に影響を受けていることがわかりました。最も多かったのは「昼休み中に電話や来客対応をすること」であり、同様に「始業前の準備や有給休暇が失効したこと」も多いという結果が出ています。これにより、職場のルールについての理解不足が浮き彫りになりました。
少なくとも約3割の回答者が労働基準法の問題点を十分理解していないとのこと。このことは、実際にどれだけの人が自らの権利を知らずに働いているのかを物語っています。さらに、調査では職場で「改善してほしいこと」として多く挙げられたのが「有給休暇を取得しやすくすること」や「人手不足の解消」でした。
労働基準法と有給休暇のルール
労働基準法は、労働者の権利を守るために定められた法律ですが、実際には多くの従業員がその内容を理解していないことが今回の調査で明らかになりました。特に労働時間のルールが守られていない可能性が高く、その一例が始業前の準備や昼休み中の電話対応です。これらは指示を受けて行うものであれば、休憩時間とはみなされず、労働時間に含まれることがあります。
逆に自己判断で行う作業がある場合、それが労働時間として認められないことも多いです。サービス残業に関しては、企業が労働時間を管理するルールを明確にし、期日を守ることが求められます。これによって未払い残業代に対するトラブルを防ぐことができるのです。
有給休暇に関する知識
有給休暇は法律で認められた従業員の権利です。企業が独自の条件を設けて取得を制限することはできません。また、取得率に関する良識が求められており、年間一定数の有給休暇を取得する義務が企業側にあります。しかし、2年間未使用の有給休暇は失効しますので、適切な取得が求められます。
多様な働き方への対応
副業や社内恋愛に関する企業のルールも見直されており、特に副業は多様な働き方を促進する要因として重要視されています。それに伴い、企業は合理的な理由がある場合を除いて、一律で副業を禁止することが難しくなってきています。また社内恋愛に関しては、企業が適切にルールを設定することが求められています。
調査から見える課題
調査結果を受けて、労働基準法や有給休暇制度に対する知識不足が浮き彫りになったことは、今後の働き方改革において大きな課題だといえるでしょう。働き方がますます多様化する中で、労働時間と休日取得の運用が複雑化していることが問題となっており、その結果、意図せず法令違反となっている事例も少なくありません。
企業側は労働法や労務管理の重要性を認識し、従業員も自らの権利を理解することで、より安心して働ける環境を実現することが可能となります。今後、この調査結果をもとに、企業の働き方について見直す機会として活用してほしいと思います。