介護職員の賃上げ期待と現場の声を深掘り
介護業界において、人材の確保と処遇改善が求められている中、最近の調査結果によれば、介護職員の約6割が賃上げに高い期待を寄せています。この調査はレバウェル株式会社が実施し、全国の介護職員474名を対象に行われました。特に、賃上げに対する期待感が強まっていることが浮き彫りになりました。
1. 介護職員の賃上げ期待の現状
調査によると、介護職員の61.0%が賃上げに「非常に期待している」または「やや期待している」と回答しました。この期待の高さは、政府が2025年度補正予算案において介護職員に対する賃上げ支援策を盛り込んだことが背景にあります。具体的には月額1万円の処遇改善が予定されていますが、介護職員が期待しているのはそれ以上の金額、すなわち「月5万円以上」を希望する声が34.2%にのぼります。実際の支援水準よりも大幅な賃上げを求める声が多いことが特徴です。
一方、賃上げに対する期待が高まる中でも、不安の声も存在しています。「あまり期待していない」という回答も14.8%、「全く期待していない」は10.5%に達し、全体の25.3%が前向きな意見とは程遠いことも分かりました。
2. 賃上げ以外に求める職場環境の改善
介護職員が賃上げのほかに求めている職場環境の改善について尋ねたところ、「人員の増員や配置見直しによる業務負担の軽減」が最も多く、70.9%がこの改善を望んでいます。次いで「働き方の柔軟性の向上」が50.8%、「職場の人間関係や雰囲気の改善」が38.0%と続きます。これらの結果から、介護現場は賃金の引き上げだけでなく、働き続けやすい環境を整えることも重要視していることが伺えます。
3. 賃上げがもたらす就業意欲の向上
さらに、賃上げが実施された場合の就業継続意向については、71.3%の介護職員が「大幅に高まる」または「やや高まる」と回答しており、これは人材定着に効果が期待できることを示しています。ただし、期待する水準の賃上げが実現しなかった場合に転職を検討する介護職員は約4割に及び、「別の職場へ転職を検討」が20.0%、「他業界への転職を検討」が16.9%とのこと。
4. 処遇改善への期待と不安
介護職員の間では、「モチベーション向上」や「若手の確保」へ期待する声がある一方で、処遇改善が本当に現場に還元されるのかという不安の声も多々見受けられます。自分たちの手元に待遇改善の恩恵が来るのか疑問を抱いている職員が多く、また、過重労働や慢性的な人手不足があることも認識されています。
5. 結論と今後の展望
レバウェル株式会社の調査は、介護職員が抱える期待と課題を明らかにしました。賃上げだけでなく、人材確保や職場環境の整備を同時に進めることが求められています。超高齢化社会が進む中で、これらの施策が実現することで、安心して働ける介護現場の構築が期待されます。今後も、介護業界全体の人材不足解決に向けて、継続的な支援が重要です。